2007年11月30日 (金)

湊線再生に関する調査の概要

(株)ライトレールは、平成19年3月に「茨城交通(株)湊鉄道線の再生に関する調査業務」を茨城県及びひたちなか市から請負いました。その概要を、5月27日に開催の湊線を存続させるための講演会にて報告しました。さらに同内容を、9月22日に開催の第2回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」IN京都にて報告しました。

9月27日には、湊線存続に関して橋本 昌茨城県知事・本間源基ひたちなか市長・竹内順一茨城交通社長の三者合意が成立しました。10月29日には、関東運輸局長へ再生計画が提出されました。

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(株)ライトレールを創業

このブログを更新できぬまま、757日間が経過してしまいました。毎日多数の方がアクセスして下り、アクセスのたびに失望させてしまい申し訳ありませんでした。

その間、激動の日々が続きました。2005(平成17)年12月16日に(株)ライトレールを創業し、あっという間の2年間でしたが、様々な蓄積ができました。

ミッションは、人々の利便性や幸福度を犠牲にせずに交通問題を解決することです。事業展開として、以下を車の両輪と位置付けています。
 ・自治体の交通計画部署や厳しい経営の地方鉄道会社へのコンサルティング
 ・利便の高い交通システムを実現するための技術開発(公的助成を活用)
さらに、コンサルティングを通して地域の皆様と信頼関係を構築し、鉄道・バス・タクシー等の事業運営まで担いたいと考えています。

詳しくは、http://www.LRT.co.jpをご覧下さい。LRT.co.jpというそのものずばりのドメインを取得できました。

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2005年11月 3日 (木)

西池袋に事務所開設

mapLRT及びレンタサイクルと池袋での仕事が多いことから、小林俊史豊島区議会議員のご紹介で、池袋西口の駅から徒歩5分のところに事務所を借りた。事務所とは言っても最近流行のシェアオフィスで、(株)茜設計が運営し、3.2㎡を3.2万円/月の賃料でブース借りしている。光ファイバーのインターネット常時接続が2000円/月、IP電話が2000円/月で、固定費は合計で3.6万円/月。

その他に、打合せスペース・トイレ・水回りは共用で無料、プリンター兼コピー兼FAX兼スキャナを白黒10円/枚、カラー40円/枚で使える。さらに、A1カラー出力可のプロッターをインク代のみで使える。例えば、A2カラー写真の印刷を外注すると4000~5000円が相場だが、ここではなんと実費のみの500円。

創業期のベンチャーにとっては格好の条件だ。私の場合は、さらに机・イスと小さな本棚まで地元の方のご好意でタダで手に入り、トラックでの運搬までお願いできた。資金力のない会社のスタートアップ期としては、多くの方の温かいご支援が頼りであり、ありがたいことだ。

このオフィスは好条件なのに認知度が低く、まだまだ空きがあるので、興味のある方はご連絡願いたい。

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2005年10月30日 (日)

LOHASと交通問題の解決

今朝の朝日新聞be on Sunday1面の「竹内敬二のどうする」に、以下のように書かれていた(分かりやすくするため、原文を若干改変)。

最近、「LOHAS」という単語をよく見る。Lifestyles of Health and Sustainability(健康的で持続可能な生活スタイル)だ。(株)ロハスメディアによると「生活は楽しみたいが、健康や環境への負担は小さい暮らし方」。「エゴとエコ」を無理なく融合、単なる節約生活ではない。無理のないところがいい。これなら多くの人を巻き込めるし、全体の効果も大きくなる。

このブログの副題を「世の中の利便性や人々の幸福度を落さずに、社会を自動車への過度の依存から脱却さす!」としているのと同じ発想だ。間もなく設立する(株)ライトレールの経営方針として、交通問題の多くは現代社会の生活がクルマに過度に依存していることが原因と考えるが、単純にクルマの利用を減らして人々の利便性や幸福度を落すことは指向しない。

クルマに代わる、より便利で、空間利用・エネルギー利用が効率的で、環境負荷が小さく、安全性の高い交通システムを実現することが目標だ。そのためには、各人が“個別”交通システムを“所有”するのでなく、“共有・集約”交通システムを“利用”できる社会としたい。

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2005年10月 8日 (土)

朝日新聞「路面電車が復活の兆し」

昨日の朝日新聞be on Saturday3面のbe Reportに、「路面電車を復活して街ににぎわいを」という記事が掲載された。私が所属している多くのメーリングリストのいくつかで早速話題になっており、朝日新聞の影響力の大きさを実感する。朝日新聞ではHPでも公開している。そのデータを活用してA4両面で印刷できるファイル(Word[95KB]、pdf[77KB])を作成した。太字箇所は私が付けた。

富山宇都宮池袋のLRT計画や現状を報道したもので、時代の潮流の中での路面電車復活に関して非常に好意的な記事だ。実は私も取材を受け、池袋LRTに関する今までの経緯と今後の見通しをご説明し、その実現の意義及び課題についてお話した。朝日新聞でこういった記事が出たことは、全国でのLRT実現に少なからぬ力をもたらそう。

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2005年10月 7日 (金)

10/22に池袋LRTのシンポジウム

5/27(金)の第4回に引続き、以下により第5回を開催することが決定した。
第5回「池袋の路面電車とまちづくり」シンポジウム
- 東京の都市再生から見た池袋LRT -

日 時:10月22日(土) 10:30~12:20(12:45~親睦会)
場 所:サンシャインシティ文化会館 5階特別ホール501号室
内 容:
 池袋LRT構想の現状と課題
    豊島区都市整備部 都市計画課長 鈴木 達
 『池袋LRTの早期実現に関する要望書』の提出及びバーチャル・リアリティによる合意形成支援について
    池袋の路面電車とまちづくりの会 阿部 等
 LRT導入の支援制度について
    国土交通省 都市・地域整備局 特定都市交通施設整備室長 藤崎 強
 対談「東京の都市再生から見た池袋LRT」
    豊島区長 高野之夫
    野口秀行事務所代表 野口秀行(元日本政策投資銀行 主任研究員)

シンポ参加費:一般1000円、池袋の路面電車とまちづくりの会会員無料
親睦会参加費:一般・会員とも2000円
(当日、年会費3000円の会員申込みもできます)

申込み先:mimizuku@t.toshima.ne.jp(としま未来文化財団)
(氏名、シンポ・親睦会の出欠を明記下さい)

主 催:池袋の路面電車とまちづくりの会
協 力:NPO法人 交通ビジネス研究会
後 援:豊島区(財)としま未来文化財団

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2005年10月 5日 (水)

池袋副都心交通ビジョン検討委員会

池袋地区の交通体系のあり方を検討するため、タイトルに示した委員会が設置された。行政情報公開請求(行政情報公開決定通知書、pdf[67KB])により『池袋副都心交通ビジョン検討委員会設置要綱』(Word[36KB]pdf[8KB])と『池袋副都心交通ビジョン検討委員会の設置について』(Word[34KB]pdf[6KB])を入手した。

上記資料によると、委員会では平成17・18年度で以下の2点が検討される。
 (1) 池袋副都心地区の交通ビジョン(案)の策定
 (2) その他池袋副都心地区の交通課題の検討
LRTに関連する事柄としては、「地区内外のアクセスの改善、副都心の魅力向上に向け、LRT、コミュニティバス等、地域状況、輸送量等に対応した最適なシステムの導入方策について検討する。」とのことだ。

委員長は横浜国立大学大学院の環境情報研究院の中村文彦教授で、委員として国交省・東京都・警視庁・豊島区の関係部局が加わっている。ただ、国土交通省の街路課・道路局・鉄道局、東京都の交通局といった鉄道・LRTに関わる部署は加わっていない。ちなみに、中村教授は私の大学・大学院時代の同じ研究室の同期で、論文の締切り時期等は研究室に一緒に泊り込んだ仲だ。近年は交通計画の分野での第一人者となっている。

9/6(火)に第1回委員会が開催され、各回の内容は非公開だが、中間報告を公表して区民意見等を反映した後、18年度末に最終まとめを行うとのことだ。

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2005年9月25日 (日)

Japanese closure against the trend

1702TRAMWAYS1 1702TRAMWAYS2 岐阜路面電車は、本年3月末をもって廃止された。イギリスに"TRAMWAYS & URBAN TRANSIT"という雑誌があり、本年2月号に岐阜路面電車が見開き2ページ(A3、Word[410KB]pdf[369KB])で取上げられた。

皮肉たっぷりに大変な見出しを付けられてしまった。
  Japanese closure against the trend
日本語にすると、
  時代の潮流に反して日本では路面電車を廃止!

環境問題・高齢化社会への対応、中心市街地の活性化等のための近代的な路面電車活用は世界の潮流だ。欧米におけるLRT導入による街の活性化・交通問題解決の成功例の報告が多数ある。浅井康次氏の『ローカル線に明日はあるか』の49ページには、「環境の21世紀において、路面電車を有効活用できずに廃止にいたらしめることは罪に等しい。」とすら書かれている。

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2005年9月16日 (金)

起業は楽しい!

私の卒業した武蔵高校の5年先輩に、(株)ネットエイジグループ代表取締役社長の西川潔さんがいらっしゃる。平成12年頃にIT業界で一世を風靡したビットバレーの提唱者である。自らもKDDでの経験を経た上で起業され、「ニッポンを起業経済社会に!」を提唱して活躍をされている起業家の雄である。その西川潔さんが3月に『起業は楽しい! 21世紀ニッポンの起業家人生入門』という単行本を出版された。

ご本人のブログでのご紹介では「起業という職業選択は、それほど特殊なものでも無謀なものでもなく、おおいなる志と多少の才覚をもち、努力を惜しまぬ覚悟があれば、だれでも検討しうる、検討すべき職種だ、と申し上げたかった。」ということだ。

私も拝読して、おおいに勇気付けられた。感想の代りに、以下に特に印象に残ったフレーズをピックアップする。
・楽しいこと、そして成功すれば社会に役立つことを多くの人にやって欲しい
・優秀なビジネスパーソンがリスクをコントロールしながら独立し株式上場
・知恵と勇気と仲間と運があれば、本格的な起業のシナリオを短期間で組立て
・自分が心底したいことを自分のリスクで事業化
・一度限りの人生、大いに充実させたい
・人間、やりたいことをやるのが一番自己充実感を覚える
・人生の不完全燃焼状態を避けたい
・自分のビジネスアイデアが形になり、実際にお客さんに売れ、喜ばれる
・自由に動き回り、ビジネスを仕掛けていく面白さ
・ハイクラスの人達と付合える喜び
・自分の存在感が高まる意識
・優れた起業家の登場を現下の日本経済は待ち望んでいる
・成長性豊かなフレッシュな新興企業群が21世紀の日本を引っ張っていく
・ニーズがあるのに解決策がない、解決策を提供しお客さんに喜ばれたい
・世の中はこうあって欲しい、それに貢献したい
・自分が何とかする、世の中にないものを生み出すという起業家達が社会を進化
・現状に満足せず、より良い何かを求めるロマンティシズムを持つ
・十分な調査の上にビジネスプランを描き、投資家を説得して必要な資金を調達
・起業して社会貢献することで自己存在証明を果せる
・ドラマチックな人生を堪能、自分の人生を自分で舵取り
・起業家は社会にとって積極的に意義のある存在
・死の床に付いて人生を振返った時、自分の人生に納得できずに絶望するリスク
・米国では、起業家とは最も優秀な人達が挑戦する特権を持つあこがれの職業
・ビジョナリーとは、今と違う世の中を幻想できる能力を持っている人
・何年か先の将来にはこの商品や技術を誰もが使っていると確信し普及させる
・人々の生活やビジネスのあり方を一変させるインパクトのある事業を構想
・VCから資金調達する際にも、メンバーの能力の有無が出資決定に大きく影響
・やるべきことをやり、会うべき人に会えば、必ずシードマネーは確保できる
・「豊かだが平凡で刺激のない人生」より「不安定でもエキサイティングな人生」
・何かを成し遂げようという情熱的な時間に価値を見出す

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2005年9月15日 (木)

ブログアクセス不能のお詫び

9/1(木)から、インターネットアクセスの回線をケーブルテレビから光ファイバーに変更した。その際、NTT・ケーブルテレビ会社・@niftyへの手続きが複雑怪奇で誤ってしまい、私としては何の前触れもなく、9/1(木)からメールと交通ビジネス研究会のホームページ(最近更新できておらず)がいきなり使用不能となってしまった。急いで復旧手続きをし、メールとHPは9/6(火)にようやく復旧できた。もし、その間にhit-abe@nifty.com宛にメール送付して下さった方がいらしたら、エラー返信されたはずなので、お手数だが再送願いたい。今のインターネットの仕組みでは、こちらでは誰にエラー返信されたか把握できないのである。

9/1(木)以降もこのブログは問題なく使えていて関係ないと思っていたところ、9/5(月)頃にいきなり、アクセスも更新も一切不能となった。@niftyのサポートセンターへ復旧依頼をしてもあまり親身でなく、メール及びHPの件と合せて、電話問合せ・Webでの問合せ・メール送付を9回繰返し、ブログは本日ようやく復旧した。

ブログアクセス不能の間、こちらからはアナウンスのしようがなく、アクセスして下さった方には無用な手間をお掛けし、また余計な心配をお掛けしてしまった。今回のアクセス不能騒動は、純粋にインターネット使用契約上の問題で、各地での様々な活動とは一切関係ない。

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2005年9月 2日 (金)

池袋LRT早期実現の要望提出

8/16(火)に、豊島区の高野之夫区長へ、池袋の路面電車とまちづくりの会の宮田和昌会長から『池袋LRTの早期実現に関する要望書』(Word[639KB]pdf[542KB])を提出した。リンクファイルは、以下の構成である。
  進行次第
  要望書表紙
  要望書本文
  関連資料表紙
  関連資料16ページ

 池袋LRTの早期実現を目指して、東池袋・雑司ケ谷・サンシャインの3ルートのうち雑司ケ谷ルートの検討を深度化することが喫緊の課題だとし、以下の5項目を踏まえて関係機関との協議を積極的に進めることを要望した。
 1.環状5の1号線の地下通過道路の出入口の位置等を工夫し、東池袋交差点~雑司ケ谷の生活道路にLRT走行空間を確保すること。
 2.東池袋交差点~雑司ケ谷の地下通過道路の工事手順を工夫し、できるだけ早期にLRTを運行開始すること。
 3.都電荒川線との結節を考慮し、池袋と早稲田方面を短時間で結べ、かつ高頻度運転される利便性の高い交通システムとすること。
 4.全線専用軌道化及び交差点優先信号により、短時間で走行できることとし、利便性が高く、かつ車両と運転士の運用効率の高い運営コストの低廉な交通システムとすること。
 5.採算性を確保できるビジネスモデルを構築し、継続的な財政負担を要さない民間企業主体の事業運営とすること。

池袋の路面電車とまちづくりの会の2年に渡る積極的活動に基づき、地元の声を代表して要望したものである。

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2005年8月23日 (火)

レンタサイクル

池袋LRTに関わっている中で、放置自転車問題にも関わるようになった。東京都が毎年10月に調査している都内の駅前放置自転車数の中で、平成15・16年と池袋駅・大塚駅が2年連続ワースト1・2位となった。そのような情勢の中、豊島区は「放置自転車等対策推進税」の導入を提案し、マスコミを賑わし様々な経緯の末、平成18年度から課税することとなった。

さらに、現在は放置自転車問題解決のため「豊島区自転車等駐車対策協議会」で議論が進んでいる。公開されている協議会を傍聴し、またインターネットを中心に様々な調査をしてみた。近年、駐輪場を民間で運営する、あるいは練馬区のように指定管理者制度により管理運営を民間に任せる事例が増えていることが分かった。

そこで、池袋をターゲットに駐輪場をビジネスとして実施できないか、収支シミュレーションをしてみたところ、地代をゼロとしても6000円/月以上の利用者負担+公的補助が必要となり、難しそうだ。

次に視点を変え、駐輪場でなくレンタサイクルのストックヤードにすることを考えた。池袋は、ビジネス街と居住地域という二面があり、レンタサイクルビジネスに非常に有利だ。駅から適度に離れた居住者と通勤通学者と来訪者の利用ピーク時間帯がずれ、平日は、以下の時間的流れの使われ方が想定される。
  7:00~ 9:00頃 居住者が自転車で着駅
  8:00~10:00頃 通勤通学者が自転車で発駅
  9:00~18:00頃 来訪者が次々に自転車を利用
 16:00~20:00頃 通勤通学者が自転車で着駅
 17:00~24:00頃 居住者が自転車で発駅
つまり、駅前のストックヤードをあまり必要とせずに、多くの人達がストックヤードと自転車を順繰りに利用できる。

ビジネスとして考えるなら、高価なストックヤードの数倍の会員にサービス提供できるので、販売価格を引下げて商売を成立たせられることを意味する。駅前用地の賃貸条件によるが、2000~3000円/月の会費で採算性を取れる可能性が充分にある。

自転車利用者(潜在ニーズ含む)には、適価で便利なサービスが提供され、豊島区にとっては、莫大な税金投入なしに区民ニーズに応えられる。社会全体として考えるなら、駅前の貴重な土地と自転車本体を有効活用でき、かつ景観問題を起こさずに、放置自転車問題を緩和できる。自転車利用ニーズの抑制が解け、街の活性化にも貢献する。放置自転車の徹底取締りが絶対条件だが、全体像を上手く作れれば、誰にとってもハッピーな結果とできそうだ。

自転車活用推進研究会(HPは閉鎖)から、平成15年3月に『我が国の自転車政策のあり方に関する調査報告書2003』が発表された。その中の第3章<別項>に「放置」削減をめざす循環利用としての共有自転車の普及(Word[40KB]pdf[18KB])という興味深い項目がある。共有自転車(今回提案のレンタサイクル)は、成功例はまだまだ少ないが、循環型社会の形成に向けた象徴的システムと記されている。

レンタサイクルに興味があると言うと、「LRTはどうなった? 宗旨替えしたのか?」と言われそうだが、そのようなことはない。4/19(火)及び4/29(金)のブログで紹介した小文(Word[67KB]pdf[45KB])に、交通問題解決のために、交通システムを各人が“所有”するのでなく“利用”する社会にすべきと書いた。レンタサイクルはその典型的なものである。

運搬具の“共用”のメリットも大きいが、保管スペースの“共用”のメリットの方がより大きい。池袋レンタサイクルを商品として考えた場合、自転車を路上で走らせられる権利より、池袋駅直近で待たずに確実に受渡しができる権利の方が、付加価値として多くを占める。

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2005年8月19日 (金)

岐阜路面電車再生に向けた最近の動き

7/26(火)のブログで、(株)サン・ストラッセの広瀬社長が、岐阜県に対し路面電車再生に向けた「地域協議会」の設置を求めることを紹介した。今日は、その前後及びその後の動きを、以下の7つの新聞記事(Word[41KB]pdf[19KB])により紹介する。

6/11 岐阜新聞:「県・岐阜市連携協」設置へ 産廃問題など、多分野で継続的協議
7/23 岐阜新聞:岐阜市、バス路線再編/都心環状線など 新設交通ネット構築へ/総合政策方針案
8/4 中日新聞:路面電車復活へエンジェル基金 岐阜市民立ち上げ
8/4 岐阜新聞:名鉄3線復活へ募金 岐阜市の有志ら1口1万円で基金設立
8/11 中日新聞;路面電車の再開協議に参加意向 岐阜市長、県主導を望む
8/11 岐阜新聞:名鉄廃線問題/関市の企業提案の「地域協」 岐阜市参加前向き
8/11 岐阜新聞:集客施設が郊外拡散 市街地衰退懸念の声 県の交通体系意見交換会

新聞記事の主な内容は、以下の通りである。
・岐阜県の両知事及び岐阜市の両助役からなる「岐阜県・岐阜市連携推進協議会」を設置し、路面電車問題も含めて県市が連携
・岐阜市がバスを中心とした総合交通政策案を発表したが、将来のLRT導入へも含み
・市民意識を盛上げて行政を動かす力となるよう、沿線有志が「エンジェル基金」を立上げ
・岐阜市長は県主導の地域協議会へ参加、民間会社による路面電車運行を受入れの意向
・「岐阜地域総合交通体系意見交換会」にて、路面電車廃止により柳ヶ瀬の来客減少の声

路面電車再生の芽は決して消えていない。

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2005年8月10日 (水)

宇都宮大会でLRT・地方鉄道の収益性確保策を発表

8/1(月)のブログに、6/25(土)の宇都宮LRT大会で『多くの利用を得られ収益性を確保できるLRT・地方鉄道の条件』(Word[37KB]pdf[13KB])と題して投稿・発表したことを書いた。

1.では、多くの利用を得るための条件は、利便性・営業努力・車両の見栄えに固執しないことの3つだと書いた。既設の地方鉄道・路面電車さらにはLRT構想とも、鉄道が本来実現できる速達性や高頻度運転を実現できておらず、それらの実現により活性化の可能性が充分にあるというのが私の問題意識だ。

2.では、収益性を確保するための条件は、収入の確保・投資額の低減・運営費の低減・自動車へ本来の費用負担を求めるの4つだと書いた。最初の3つは事業者や関連業界(鉄道車両メーカー等)の自助努力や技術開発により実現すべき事柄で、4つ目は社会の理解を得て実現すべき事柄である。1.の利便性向上を、多額の投資経費または運営費を要さずに実現することが重要である。

3.では、LRT・地方鉄道の活性化に多額の公的補助は必須かについて、私の意見を整理して書いた。「社会性のある事業だから赤字が出たら公的補助をする」というのでは、いわゆるモラルハザードとなり民間活力は発揮されない。事業者へは利潤最大化の価格設定を認め、代わりに交通弱者の過大負担防止という社会性に鑑み公的補助をする、さらに最大の競合商品である自動車へ負担を逃れている全費用を負担さす、というように官と民の役割分担を明確にした上で、事業者へは自主自立(自律)の経営をさすべきと考える。

以上を、あるべき論や一般論のみで主張しているだけでは仕方ない。私は、自ら実践したいからこそ起業の道を選んだ。

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2005年8月 8日 (月)

Yomiuri Weekly7/3号に池袋LRTの記事

5/27の池袋LRTシンポジウムを切っ掛けに読売新聞から取材を受け、Yomiuri Weekly 7/3号に池袋LRTの紹介記事(秋本宏記者)が掲載された(Word[267KB]pdf[235KB])。写真と図面付きの分かりやすいもので、担当記者も大都市でLRTが実現される第1号として強い期待感をお持ちになり、「大都市にLRTが根付くかどうか、池袋が試金石となる。」とまで書いて下さった。

池袋と雑司ケ谷の間は、幅員50~40mで激しい渋滞のないグリーン大通りと、これから供用され幅員30mで通過交通は地下となる環5の1という道路に恵まれ、LRTの走行空間を確保できる可能性が充分にある。そして、都電荒川線の雑司ケ谷-早稲田と結節させれば池袋と早稲田が結ばれることとなり、需要の面でも申し分ない。これだけ条件に恵まれた箇所でLRTを実現できねば他のどこで実現できるのかというくらい、需要・供給両面で好条件である。

また、翻訳されたものがTHE DAILY YOMIURIの6/25付に掲載された(Word[513KB]pdf[465KB])。全く同内容ではないが、ほぼ同内容で、写真は富山ライトレールが掲載された。

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2005年8月 4日 (木)

宇都宮大会での池袋LRT計画の発表

8/1(月)のブログに、6/25(土)の宇都宮LRT大会で『池袋における路面電車と街づくりに関する活動』(Word[132KB]pdf[94KB])と題して投稿・発表したことを書いた。

1.では、3つの導入ルート案を紹介し、現時点での収支見積りでは、投資額が大きい割に需要予測が小さく、継続的な財政負担を要すことを示した。

2.では、オーストリア大使館と共催のシンポジウムの様子を紹介した。ウィーン市内に200km以上のLRTネットワークを持つオーストリアの専門家から、現地視察をした上で、池袋LRTは実現可能性が高いとの評価を受け、また便利なものとするため都電と連携した池袋と早稲田方面との結節を考慮すべきとのアドバイスを受けたこと等を報告した。

3.では、第1期ルートとしては雑司ケ谷ルートをメインとした実現に向けた検討を進めることについて記した。現時点での試算を見直して採算性を確保できるビジネスモデルを構築し、また環状5の1号線の道路工事計画との整合性を取り、民間企業による早期実現が望ましいと記した。

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2005年8月 1日 (月)

6/25の宇都宮LRT大会

6/25(土)に、第1回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」in宇都宮が開催された。ここ数年、宇都宮LRTに関して、福田昭夫前栃木県知事は慎重、福田富一前市長は積極的に推進の考えで意見対立していた中、平成16年11月28日の栃木県知事選に富一氏が立候補して昭夫氏に10万票以上の大差で当選し、LRT実現の機運が高まった。それを受けて、NPO法人エコエネルギーによる地域交通システム推進協会(AREEV)理事長の内田敬之氏が、宇都宮でのLRT実現を支援する一環として、地元及び全国の関係者へ呼掛けて大会準備が進められた。大会委員長は7/28(木)に紹介した古池先生、副委員長は雷都レールとちぎ代表の奥備一彦氏が、それぞれ務められた。

事前の論文募集に対して全国から77編の応募があり、また当日は、LRTを中心とした交通問題に関心を持つ活動団体・研究者・専門家・行政・軌道事業者・車両メーカー・コンサルタント会社等の関係者が400名以上集まった。大会の最後を飾る市民フォーラムには栃木県知事と宇都宮市長も参加され、宇都宮大学工学部で最大の会場でも収容し切れず遠隔放映する会場を2つ用意するなど、成功裡の大会となり、交通問題への関心やLRT普及への期待が全国的に高まっていることを示した。

私も運営委員の1人として関わったが、準備の段階から地元・運営委員とも皆さん非常に熱心だった。既に書いた5/25のLRTシンポ5/27の池袋LRTシンポ5/29の東海ラジオ特番の関係の皆さんとも合せ、LRT実現にこれだけ熱い人達が全国に確実に増え、日本における本格的LRT普及の日も近いと感じた。

私は、『池袋における路面電車と街づくりに関する活動』(Word[132KB]pdf[94KB])と『多くの利用を得られ収益性を確保できるLRT・地方鉄道の条件』(Word[37KB]pdf[13KB])の2編を投稿して発表した。

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2005年7月28日 (木)

宇大 古池教授がNHKでLRT待望論

5/25(水)に、NHK教育テレビ23:50からの『視点・論点』で、宇都宮大学の古池弘隆教授が「LRTが街を変える」と題して、LRT待望論を分かりやすくそして力強くお話された(mpeg4[4.4MB]、9分23秒、ザウルス向け特殊フォーマットなのでインターネットで必要データのダウンロードを要する場合あり、8/27まで1ヶ月の限定公開)。

古池先生は従来から、宇都宮が自動車のみに依存する都市構造から脱却するためにLRTを導入することを主張され、宇都宮大学の広報誌(pdf[107KB])にも寄稿されている。宇都宮市のLRTに関すHPにも詳しい情報がある。平成14,15年度に「新交通システム導入基本計画策定調査」が実施され、先生は調査委員長だった。平成15年12月~16年2月に、市内各地区で「まちづくりと交通に関する懇談会」が開催され、先生は福田富一前市長(現栃木県知事)と並んで真中に座られ、市民の質問に中心になって答えられたご様子だ(pdf[629KB])。

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2005年7月26日 (火)

岐阜県へ協議会設置を要望

今朝の中日新聞(Word[84KB]pdf[84KB])によると、従来から岐阜名鉄3線の運行再開に名乗りを上げている(株)サン・ストラッセの広瀬社長が、岐阜県に対し路面電車再生に向けた「地域協議会」の設置を求めていく考えを表明した。来週中にも要望書を提出し、9月に協議会を立上げ、平成19年春の運行再開を目指す計画だ。

国交省の広報誌である『国土交通』2004年12月号に『十地域十色の魅力的な地方鉄道・LRTの展開』(pdf[78KB])という解説記事がある。「LRT導入に向けた総合的な検討を行うため関係者からなる協議会を地域で立上げ、そこでの議論を踏まえて策定したLRT整備計画に基づく取組みに対し、国交省の関係部局の連携により『LRT総合整備事業』として各種補助事業を一括採択するなど、総合的な支援を行う。」と記されている。国交省の支援制度を引出す点も含め、より広域の行政を担う県が問題解決に本腰を入れるべきだろう。公共交通充実に関する県のあり方については、5/10(火)に紹介した。

岐阜の路面電車を含む名鉄3線は複数の市町にまたがる路線であり、本来は岐阜市単独でなく岐阜県全体の問題として議論すべきであった。そして、岐阜県全体の話ということになれば、名鉄3線に限らず、赤字続きで存続の危機にある三セク4線(樽見・長良川・神岡・明知鉄道)と近鉄養老線も同時に俎上に載せるべきだ。全国の地方鉄道のほとんどは、今の延長線上では10年以内に廃止されてもおかしくない情勢である。岐阜県が全国の地方鉄道再生の先進事例になれれば素晴らしい。

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2005年7月25日 (月)

5/25のLRTシンポジウム

一昨日に紹介した池袋LRTシンポジウム開催の前々日の5/25(水)に、在日オーストリア大使館商務部主催によるLRTジャパン・イニシアチブ2005シンポジウムが開催された。全国の自治体関係者・路面電車事業者・NGO関係者等が約200名集まり盛況な会となった。

このシンポジウムの一連の流れで5/27(金)に池袋LRTシンポジウムを開催した関係で、私は夜のパーティのお誘いも受けた。オーストリアから来日の皆さん、国交省街路課をはじめとした国内のLRT関係者の30名ほどの集まりだったが、ここでも熱い議論が続いた。昼間も発表をされ、鉄道総研が立上げた「LRTに関する技術検討会」(交通新聞記事、Word[27KB]pdf[9KB])のキーパーソンでいらっしゃる村田修事業推進室長ともしばらくお話ができた。

「LRTに関する技術検討会」の様子は鉄道総研のHPと「路面電車を考える館」でも大きく取上げられている。私が出向でお世話になった平成5~7年頃の鉄道総研では、LRTに関する技術テーマは1つもなかったので時代の大きな変化を感じさせる。

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2005年7月24日 (日)

7/21ご近所の底力で貴志川線を紹介

7/21(木)に、NHKの「難問解決!ご近所の底力」で、「不可能の壁を越えた人たち」として「鉄道が廃線の危機を迎えている和歌山県南海鉄道貴志川線沿線の皆さん」のその後wmv[26MB]、13分30秒、8/23まで1ヶ月の限定公開)が放送された。平成16年9月2日放送の『生活の足 鉄道を守れ』、平成17年3月10日放送のその後に引続いての放送だ。

事業撤退する南海電鉄からの土地・設備取得及び施設整備の費用を和歌山県が負担し、むこう十年の運営赤字を和歌山市と貴志川町が補填する。そして、その事業運営を岡山電気軌道が担うこととなった。6/27(月)に新会社が設立され、会社概要事業計画等も発表されている。全国で数多くの地方鉄道が存続の危機に瀕し、実際に廃線となっている線区もある中、存続に至った貴重な例である。

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2005年7月23日 (土)

5/27の池袋LRTシンポジウム

5/27(金)に、在日オーストリア大使館商務部池袋の路面電車とまちづくりの会主催による第4回「池袋の路面電車とまちづくり」シンポジウムが開催された。内容については、案内文(Word[32KB]pdf[7KB])と報告文(Word[29KB]pdf[7KB])を参照願いたい。

私が副理事長を務めるNPO法人交通ビジネス研究会は、池袋LRTの実現を目指す「池袋の路面電車とまちづくりの会」の発足前からお手伝いをしており、今回のシンポも事務方を務めた。事情により間際になっての開催準備となり、豊島区議会議員の小林俊史氏に開催について電話でご相談したのが5/14(土)の夜、小林区議と一緒に豊島区長の高野之夫氏にご相談したのが5/17(月)だった。それから10日間でとんとん拍子に準備が進み、何とか開催にこぎ着けることができた。

当日は100人以上収容できる会場が満杯となり区役所職員の方には入場をお断りするほどの盛況となった。グラーツ工科大学のリースベルガー教授をはじめとしたオーストリアの皆さん(pdf[105KB])の熱気に押され、内容も充実したものとできた。私もパネルディスカッションとワークショップの際、生まれて初めて国際会議の司会進行(同時通訳があり何とか務められた)を務め、多少なりとも国際親善に貢献できたのではないかと思う。

こんな短期間で成功裡のシンポジウムにできたのは、熱心で結束の固い地元の皆さんや区役所及びとしま未来文化財団のスタッフの皆さんのおかげであり、ここ数年の池袋LRT実現に向けた熱心な取組みの蓄積の賜物である。

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2005年7月22日 (金)

5/29の東海ラジオ特番

昨日紹介した岐阜大の竹内先生の新聞寄稿に、「某ラジオ局の「岐阜の路面電車再生の道を探る」報道特番」とある。それは、5/29(日)朝7:30~8:00に東海ラジオで放送された「岐阜のでんしゃ 再生への1(ワン)ノッチ」のことである。路面電車問題を5年前から非常に熱心に追っている源石和輝アナウンサーが企画・構成・制作した。

現場の取材を重ね、また市民・名鉄・岐阜市長・学識経験者・関係省庁その他多くの方へインタビューし、非常に良くまとまった番組である。東海ラジオ内の推薦を受け、日本民間放送連盟賞ラジオ報道番組部門の中部北陸ブロック審査会にノミネートし、4作品中の3位となった。テレビ局と比べて予算も人員も限られたラジオ局において、テーマを深掘りした報道番組を制作できること自体が特筆ものである。賞を受賞するには、番組としての内容や構成の素晴らしさと同時にテーマへの世間の注目度が重要であろう。多くの人が岐阜路面電車に興味を持たないという現実の中では、上位入賞できなかったのは現時点では仕方なかったと思うが、将来、路面電車が再生した場合には、こんなに素晴らしい番組があって再生の流れを作るのに一役買ったと振返られよう。

私も番組制作に微力ながら若干お手伝いをし、国交省の都市・地域整備局街路課の方、鉄道局財務課の方、(社)日本交通計画協会の方をご紹介した。それぞれ源石アナウンサーのインタビューを受け、自動車に過度に依存した交通体系の問題点、LRT導入の進む世界の潮流、日本におけるLRT推進の支援制度、LRTを活かした岐阜市交通体系のあり方等を取材では数十分ずつお話され、番組では1~2分ずつに凝縮されて放送された。

そして、岐阜大の竹内先生もご紹介したところ、路面電車の重要性、今からでも復活させるべきこと、それには市民の声の盛上りが欠かせないこと等について1時間半に渡り熱弁を振るわれ、その中の特に重要なフレーズが番組で放送された。

全国でのLRT実現や岐阜路面電車再生に向けて熱い思いをお持ちの方が、様々な有力な立場でこんなにいらっしゃるのである。再生の目は充分にあると私は信じている。

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2005年7月21日 (木)

岐大 竹内教授の路面電車再生論

岐阜大学の竹内伝史教授と言えば、中部地区の交通計画の分野では重鎮で大きな影響力をお持ちの方である。その竹内先生が、岐阜路面電車に関するお考えを6/19(日)の岐阜新聞のサンデーコラム(Word[27KB]pdf[124KB])に寄稿された。

「県・国ともに公共交通の重視を標榜しており、レールは残っているのだから今からでも復活させるべき。」と言われ、さらには、「事業を引受けようという民間事業者も現れており、岐阜市がその気になれば、路面電車の再生に向けて全体が動き出す準備は整っている。」とまでおっしゃっている。そして、「それには、市民の声の盛上りが重要だ。」と結ばれている。

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2005年7月20日 (水)

ライフワーク

私が実行したいことは、「世の中の利便性や人々の幸福度を落さずに、社会を自動車への過度の依存から脱却さす」ことだ。思い返せば、小学校3年生くらいから変っていない思いが2つある。1つは、排ガスをまき散らし、交通事故で沢山の人を殺している自動車が世の中にこんなにたくさん走り回っているのはおかしいとの思い。もう1つは、鉄道が本来実現できるサービスを実現できないでいるとの思い。当時は、自動車の排ガスや交通事故が社会問題化し、また国鉄のサービスの悪さが散々叩かれていた時代だった。

それ以来30年、大学・大学院では交通計画を専門に勉強し、また鉄道を一番の生業としている会社に17年間勤務する等、多くのことを見、聞き、読み、経験したが、基本的思いは変っていない。「世の中の利便性や人々の幸福度を落さずに、社会を自動車への過度の依存から脱却さす」には、自動車より能率的に人の移動や物資の運搬のできる交通システムを便利にする、突き詰めていくと、鉄道を中心とした共用・集約交通システムを発展させるしかない。それを実現するために、結果的に起業という選択肢を選ぶこととなった。

岐阜の路面電車を再生させられれば、鉄道は本当はもっと便利にできる、それによって自動車に頼る度合いを減らしても豊かで幸せな社会を維持・発展できるという具体的実践例を実現できると考え、新しい道に踏出した。「ライフワーク」とハッキリ言うのはこそばゆい感じがするが、組織に守られ、指示されたことを着実にこなせば安泰に生きていけるという立場から敢えて飛出したのだから、甘えたことは言っていられない。ライフワークを成し遂げられるよう、精一杯の努力を積重ねて行きたい。

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2005年7月19日 (火)

ブログの再開

4/7(木)から5/10(火)まで34日間、1日も欠かさずに書き続けていたのだが、事情があって2ヶ月ほど閉鎖していた。3週間くらい前に再開した後、日々の忙しさにかまけて、閉鎖の事情やその後の展開等も書けないまま日数が経ってしまった。電子掲示板等を見ると、ブログを閉鎖したこと自体でせっかく応援して下さる皆さんに不信感や失望感を広めてしまったようだ。はじめて訪れて下さった方も含めて、私の目指すものを少しずつ日々書き連ねて、これから挽回していきたい。

今日は、5/7(土)に紹介したKisc21「起業家相互支援クラブ」第25回例会で、同じくCDを紹介した須子はるかさんの『独立・起業の成功確率をあげる効果的な「ブログ」活用法』という講演があり、参加した。ブログ活用の実践的お話が聞けて非常にためになり、また「皆さんが家に帰って実行してはじめて価値があるんです。」と強く言われ、久々にブログを書く気合が沸いて来た。勇気を与えてくれた須子さんの講演に感謝。「夢を実現させる起業日記」もご覧あれ。

須子さんからたまたま当てられて、参加の皆さんへ私の起業構想を宣伝する機会に恵まれた。最近流行の言葉で言えば、全くの想定「外」だった。チャネリング現象というのだろうか。私の高校の5期先輩でネットエイジグループ社長の西川潔さんの『起業は楽しい!』の91ページにも、以下のように書いてある。

執念を帯びた思考(想念)は、それ自身がエネルギーを持って様々に作用し始める。例えば、自分が思い描いているビジネスアイデアにまさにぴったりの情報なり経営資源なりを持っている人が不思議と目の前に現れるとか、・・・

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2005年5月10日 (火)

今朝の岐阜地元各紙

今朝地元では、岐阜路面電車関連で3種類・4記事(Word[34KB]pdf[33KB])が報道され、話題豊富だった。リンクファイルでは、重要なポイントを青太下線にした。
中日:公共交通再生、積極的関与を 県に政策総点検分科会報告
中日:仏コネックス社、事業提案遅れる 地元提出を見送る意向
岐阜:名鉄3線廃止後の代替バス案内マップ作製/岐阜市の路面電車再生トラストの会
毎日:県政総点検:交通政策に疑問の声 路面電車の廃止対応で-県民委分科会
1番目と4番目は同じ情報である。

1つ目は、路面電車廃止に関して岐阜県の対応に疑問の声という情報。県政策総点検 県民委員会 生活基盤分科会にて「県総合交通体系指針では公共交通の充実を掲げていながら同時期に路面電車廃止とはおかしい、実効性のある指針を、路面電車はもう一度走らせるべき」といった意見が出たそうだ。

2つ目は、コネックス社の事業提案が遅れるとの情報。昨年11月に事業参入を表明した仏コネックス社は、具体的な事業計画案の地元提出を見送り、2006年4月の事業スタートは事実上困難になったとのことだ。

3つは、路面電車再生トラストの会が代替バス案内マップを作成したという情報。電車再生の下地づくりのため公共交通利用者を減らさないことが目的で、旧電車駅とその最寄りバス停を対応させて表示したとのことだ。

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2005年5月 8日 (日)

編成両数の増減による需要変動への対応

4/25(月)に書いた通り、東海道新幹線は、全列車種別・全期間・全時間帯・全区間とも16両の固定編成で運転したのでは、混雑とガラ空きの格差がどうしても生じる。昨日、今年に入ってから東京-岐阜の12往復目の移動で東京に帰って来た(今のところ東京が生活の拠点なので、岐阜を生活の拠点とすれば表現は変わって来る)。その際、名古屋14:21発ののぞみに乗ったのだが、上記の典型に気付いた。

名古屋から東京方面ののぞみは、8時代から21時代まで毎時、以下のようになっている(数字は何分発を示し、始発駅の記載なしは新大阪発)。
 定期:04(岡山発),24(広島発),47(博多発)
 臨時:10,21,36,44(一部博多発),53
日にちや時間帯によって臨時列車が運転したりしなかったりで、輸送力が過大なタイミングに当るとゆったりできてラッキー、過少なタイミングに当ると座れずアンラッキーとなる。1週間前等の早めに指定席を買えば確実に座れるが、行動パターンの自由度が犠牲となるので、私はいつも自由席を使っている。

「3月1日~6月30日の月~土曜<除く、3月21日・5月4,5日>と5月1,15,22,29日・6月5日運転」とか「休日運休・但し、3月20,27日・4月3,29日・5月1,3~5日は運転」などという日本語を解読しながら、5月1~10日の8時代から21時代の臨時列車運転の星取表(Excel[27KB]pdf[7KB])を作ってみた。あまりに複雑怪奇で100%合っている自信はないので、誤りに気付いた方はご連絡願いたい。

JR東海は、前年までの輸送実績・曜日配列・愛知万博による利用増等を配慮して日々の臨時列車運転パターンを計画したのだろうが、7日(土)の14:21発に乗ったところ自由席は50%程度の乗車効率で、GWに伴う移動の多い期間としては拍子抜けの空き方だった。しかし、14:24発の方が明らかに乗車効率は高く50%以上だったろうから、仮に14:21発の運転がなく14:24発に乗っていたとしたら座れなかった訳だ。ということは、より旅客流動の多い15時代は10,21,36分発の運転がなく、15:24発に名古屋から乗った人は座れなかったろう。同様に18,19,20時代と10,21分発の運転がなく、24分発は愛知万博帰りの多数の疲れた人達を立ちんぼで運んだはずだ。その一方で、たまたま運の良かった14:21発や14:24発に乗った人はゆったりできた。固定編成のまま日付や時間帯による需要変動へ列車本数で対応しようとすると、混雑とガラ空きの格差をなくすのは根本的に不可能だ。

新幹線を論評するために書いている訳ではない。岐阜路面電車は、1人の運転士で編成両数の増減により輸送力を調整できるという鉄道の長所を活かして、ダイヤパターンをできるだけ固定して編成両数の増減により需要変動へ対応する考えだ。そういった点で、DMVは輸送単位が小さいのがむしろメリットとなり、ラッシュ時は長大編成、閑散時は最短1両とできる。片運転台で1両運転だと折返しができないと思われようが、タイヤの活用により転車台なしで方向転換できる。

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2005年5月 7日 (土)

ブログの効力

ブログを1日も欠かさず書き始めてから1ケ月経った。大きなコストを掛けずに広報・宣伝さらには双方向のコミュニケーションができる。インターネットのおかげで、組織の時代から個人の時代へと転換しつつあることを実感する。

以前から参加しているKisc21「起業家相互支援クラブ」という会のメーリングリストで、起業のスタートダッシュを成功させる「ブログ徹底活用術」というCD+関連資料の情報を得た。以下のような宣伝文句に納得してしまい、早速購入しようと思う。私の目指すのは、末尾にある「ハッピーな働き方」をしつつ世の中にお役立ちすることである。

ビジネスパートナーとこんなに短期間で!
 一生かけても出会えるかどうか、と思えるほど自分にぴったりのパートナーと短い時間で信頼関係を作ることができました。
長期的にお付き合いできる素晴らしいお客様と出会う
 大手の都市銀行から、人気の人材系企業、また心から一緒に仕事をさせていただきたいと思える素敵なお客様と仕事をすることができています。
数多くのメディア取材を受ける
 日経新聞の夕刊一面、日経ウーマン起業家特集、日経MJからHANAKOまで。さらにB-ingの巻頭インタビューに月刊ビジネスチャンス、と取材が続きます。ちなみに一度も「プレスリリース」なるものを出したことはありません。
たくさんの素晴らしい方々に応援をしていただく
 身近な人はもちろんのこと、顔をあわせたこともないひとたちから、たくさんの応援メッセージをいただきます。
ブログに出会ったことで、起業のスタートダッシュを成功させることができただけでなく、自分の価値観に共感してくれる人たちに囲まれた「ハッピーな働き方」も同時に得ることができました。

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2005年5月 6日 (金)

DMVの紹介サイト

現在公開している事業計画書の最新版ver.7(Word[610KB]pdf[874KB])では、JR北海道が開発中のDMVを使用する計画としている。車両が他社へ売却され、架線が撤去されたからという後ろ向きの理由だけでなく、値段が安い・線路のないところへも行けるという前向きの理由も考えてのことだ。詳細は、後日改めて書く。

「りふ(竜)=なごやん」さんのブログ「名古屋交通・歴史コラム」にて、DMVを動画で紹介するサイトが紹介された。既に1,000人以上の視察があり、国内はもちろん海外からも注目されているという。

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2005年5月 5日 (木)

岐阜地元での勉強会

今日は、地元のある婦人団体の皆さんの「岐阜市の公共交通を考える会」と題する勉強会へお邪魔した。皆さんから、バスに関して以下のような多数の現実のお話を伺った。
・本数が少ない
・時間が当てにならない
・座れない
・自転車との乗継ぎをしにくい
・クラブ活動の帰りが不便
・終バスが早い
・ダイヤ改正ごとにどんどん不便になって行く
新聞報道でも市議会での市長答弁でも「代替バス、大きな混乱なし」となっているが、実際は多くの方が不便な思いをしていることが良く分かり、今取組んでいることは決して誤っていないとの意を強くできた。

私からは、質問に対する回答も含めて以下のお話をした。
・自動車へ過度に依存した交通体系から脱却するために鉄道を便利にしたい
・既存の鉄道事業者は新たな取組みを躊躇しがちなので、退職して岐阜に専念することとした
・名鉄から資産を譲受け、新規民間事業として列車運行する
・利便性を向上し、利用者を増やし、地域へ貢献し、収益性を確保し、欠損補助を要さない
・利便性向上は、岐阜駅乗入れ・スピードアップ・増発が最重要
・LRTを具現化するビジネスモデルを岐阜の地で構築したい
・世の中の交通を便利にするには、事業者の意欲を引出す社会的仕組みにすべき
・ノスタルジーだけでは再生できないので、現にバスでは不便で路面電車が有用との声をどんどん出して欲しい

皆さん非常に熱心で、有意義な会だった。また、TラジオのGアナウンサーが取材にいらして、今月下旬の岐阜路面電車の特番に、今日の様子を使いたいとのことだ。このブログをご覧になり、仲間で話を聞いてみたいとお思いの方は、岐阜近辺または東京近辺ならどこでもお邪魔するので、お気軽にhit-abe@nifty.comへご連絡願いたい。

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2005年5月 4日 (水)

都電が時代遅れとなる理由

このブログで繰返し書いている通り、現行の運輸政策の下では、鉄道事業者が創意工夫をしようというインセンティブを持ちにくい。経済学では「X非効率」と称されたりする。東京都交通局のHPによると、平成15年度の都電の収支実績は支出27.5億円、収入29.4億円、黒字1.9億円である。都電は160円均一運賃で、都バスの200円均一よりなぜか安い。都電は都バスの80%の商品価値だから? そんなことはない。都電は一般的な都バス路線より平均時速は高く、定時性は高く、運転頻度も多い。

現行の運輸政策の下では、大幅な黒字も大幅な赤字も出ないように運賃認可され、価格が商品価値とはリンクせずに設定されているのである。としたら、事業者はどういう行動を取るか? リスクを負って思い切った施策を打ってサービスを改善し収入を増やそうとはあまり思わず、手堅く経費を節減することを優先しよう。交通局のHPの収支分析で、支出が収入より先に書いてあることがそういった思考プロセスを象徴している。支出は事業者が制御可能だが、収入は制御不能という発想になる。

都電が都バスより2割商品価値が高いとして240円の価格設定を許されれば、利用が2割減ったとしても240÷160×0.8=1.2で、収入が1.2倍にもなる。5/2(月)に書いた都電の車両性能向上策を次から次に実行でき、利便性を向上すると同時に運行費用を低減できる。民営化して経営・計画・調整スタッフへ高給を出せばさらに意欲が高まり、さらに利便性向上と費用低減が進み、社会への貢献度も大幅に高まろう。利益を出すこと自体は社会的には大きな意味はなく、社会貢献度が高まることに意味がある。

私は、岐阜路面電車再生に当り、支出より収入を制御することに経営の力点を起きたいと考えている。名鉄時代の年間の収入6億円、費用17億円に対して、費用はあまり下げずに収入を2.5倍程度にして黒字経営とする計画である。4/16(土)に書いた通り、路面電車廃止後、あちこちで大きな社会問題となるようなトラブルが起きているという状況ではない。それは、悲しいかな、路面電車の役割が小さかったことと、岐阜市と沿線地域の結び付きがますます弱まったことを示す。仮に、名鉄時代と同水準の収入を、2.5分の1の費用で実現する方策があったとしても、それは地域にあまり役立ったことにはならない。その程度の地域への貢献度では、バスで代替可能なことが実証済みなのである。

名鉄時代より多少高い価格設定でも、はるかに多くのお客様にご利用願えるような利便性の高いサービスを実現したい。資本主義自由競争社会においては、大きな売上げ、大きな利益は社会への貢献の証しである。“公共”交通と称される分野だけその例外に置こうとするから、新しい発想や技術を取入れて利便性を向上させようというインセンティブが働きにくくなる。4/19(火)中のリンクファイルに書いた通り、仮に、自動車の生産・販売は公共性が高いという理由で、政府による参入規制と価格統制をしていたとしたら、社会全体で自動車業界へのヒト・モノ・カネの投入が進まず、国民全体が自動車を保有することも、自動車業界が隆盛することもなかっただろう。交通システムという同じ目的の商品に対して、一方には自由な価格設定を許し、もう一方には商品価値とリンクしない価格設定をして来た結果が「自動車へ過度に依存した交通体系」となった大きな要因だというのが私の考えである。

論評ばかりしていても仕方ない。せっかく眠れるマーケットで鉄道を運営できるとしたら、他の産業分野では当り前の経営をすることによって、地域にお役立ちでき、健全経営にもなるという成功例を創り出したいのである。「都電の時代遅れ性」から始まってどこまで脱線するのかと思われたかも知れないが、現行の運輸政策の問題点は岐阜路面電車に限らず、全ての鉄道・軌道事業者に共通である。「都電の時代遅れ性」は、決して東京都交通局を批判するためでなく、現行の運輸政策の分かりやすい被害例とご理解願いたい。

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2005年5月 3日 (火)

(株)サン・ストラッセが運行再開に名乗り

関市の大規模SCマーゴ(年商130億円)を運営する(株)サン・ストラッセが、岐阜路面電車(郊外線含む)の運行再開へ名乗りを上げ、連休明けにも名鉄へ資産譲渡交渉を申入れると、2日(月)15時に記者会見し、3日(火)の朝刊各紙(Word[33KB]pdf[14KB])に掲載された。中日新聞は岐阜地域面でなく社会面、岐阜新聞は一面及び社会面と、比較的大きな取扱いである。私は地元のテレビを見ておらずテレビ報道の様子は分からないが、ニュース等で相応に取上げられたと思うので地元でご存知の方はお知らせ願いたい。4/21(木)に書いたTラジオの「小島一宏モーニングあいランド」中の「こちらトクダネ情報部」は3日(火)がちょうど路面電車を取上げる放送日で、記者会見の録音と路面電車再生への期待を放送して下さった。

新聞報道の主なキーワードを以下に記す。
・近く名鉄に資産譲渡協議とレール撤去作業の延期を申入れ、ここ1、2か月が勝負
・関市と岐阜市の人的交流がなくなっていくのはこの地域の危機
・岐阜-関を54分でなく30数分で結ぶなど使える電車に再生
・地元企業が名乗りを挙げることで、これまでとは違う状況
・沿線企業などにも協力を求め、沿線市町や県、国などにも支援を要請
・地元住民や行政関係者からは実現を期待する声
・関市長「存続を願う市民の声もあり民間サイドで検討されていることは大変結構、岐阜市の対応にも注目」
・柳ケ瀬の店主「電車がなくなってから客が減った、再生を期待」
・サン・ストラッセは交通ビジネス研究会などが設立を目指す新規運行会社の発起人
・名鉄広報「自治体が窓口になるなら話を聞く」
・岐阜市幹部「今後の動向を注目」
・行政と地元住民の後押しが不可欠

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2005年5月 2日 (月)

都電の車両性能向上策

昨日書いた都電の時代遅れ性の2)~5)の改善方策を書く。
2) 最高速度の低さ
路面電車の最高速度は、軌道運転規則(運輸省令)では40km/hとなっている。その見直しの取組みに関して岐阜市は実は先進的で、構造改革特区の第3次提案(平成15年6月)において「ひと・環境にやさしい路面電車特区」を提案し、国交省から「特別の事由があれば、安全性等を勘案して40km/h制限によらないことを許可する。また、専用軌道では旧鉄道運転規則を準用し、軌道運転規則の最高速度の制限を受けない。」との回答を得ている。一言で言うと、制度上の制約はなく安全を確保して技術的に可能なら40km/h以上出せるということである。侵入防止柵や踏切を整備した上で車両更新すれば40km/h以上出すことは容易である。都電を本当に便利にするなら、数駅おきに急行が各停を追抜ける待避駅を設け、急行は最高速度60~80km/h程度で運転しよう。
3) 曲線通過速度の低さ
遠心力が大きくなり過ぎるので速度を抑えるというより、2軸からなる台車の前後の軸がほぼ平行に固定されており、急曲線では曲線外側の前車輪がレールに激しく当りながら走行するために速度を出せていない。解決策は、台車の軸を曲線に応じてステアリングするようにさせることである。都営地下鉄大江戸線等で実用化済みである。急曲線の多い路面電車では、レール磨耗による保守コストも考慮してステアリング台車とすべきことは技術的には明白である。
4) 加減速性能の低さ
鉄車輪・鉄レールの組合せはゴムタイヤ・アスファルトの組合せより摩擦係数が小さいため、動力パワーや車輪回転抑止力を上げても、加速時は空転、減速時は滑走が起きやすいのは確かだが、それにしても今の加減速性能は低過ぎる。加減速性能を単純に大きくするだけでは乗り心地を損なうが、加減速度の変化率であるジャークを制御すれば乗り心地も保てる。ITを活用したハイテク加減速制御は、路面電車車両には残念ながら普及していない。
5) 下り坂の速度制限の低さ
ブレーキ性能が低いことと線路脇からの侵入防御が不充分なことから、下り坂の速度制限を極端に低くしており、同じ坂道の上り方向より速度が低い。これも路面電車車両の性能の低さを物語っている。車輪の回転を止めるのみでは滑走が起きるのは確かだが、車輪とレールの摩擦力のみに頼らない電磁吸着ブレーキとすれば高減速は可能である。これも残念ながら普及していない。

今日は車両の技術的なことを書き細部は理解しにくかったかも知れないが、とにもかくにも技術的に実現可能なことが実現できていないのである。それによる都電経営における逸失利益はもちろん、本当は利便性の高い交通システムを実現できるはずのところをできていないことによる社会的損失は計り知れない。そして、それは都電に限った話ではなく、岐阜ももちろん同様である。全国の路面電車近代化に向け、超低床化より優先的にコスト投入すべき事柄は多数ある。そして、上記の2)~5)を解決すれば、路面電車はバスより高性能になり、全線をアスファルト舗装してバス運行にした方が利便性を向上できるなどという悲しい議論をしなくて済む。

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2005年5月 1日 (日)

都電の時代遅れ性

東京都交通局の方が見たら立腹される標題としたが、交通局批判が目的ではない。

今日は交通ビジネス研究会(残念ながらHPをここ2年更新できていない)の定例会で、岐阜と池袋の路面電車(LRT)計画について議論した。その後、池袋駅前から東池袋を経由して雑司ケ谷まで歩いて現地を見、雑司ケ谷から早稲田まで都電荒川線に乗った。

久々に都電に乗ったが、顧客満足・事業経営・技術的可能性・効率性・合理性といった視点で見ると、いつもながら以下のことが目に付く。
1) カードと現金授受による原始的運賃収受
2) 最高速度の低さ
3) 曲線通過速度の低さ
4) 加減速性能の低さ
5) 下り坂の速度制限の低さ
6) 常時、乗車時点では座れない
1)~5)は、いずれも所要時間に関わる問題で、現行の時代遅れ性のために、利便性を低めると同時に車両と運転士の運用効率が悪くコスト増要因ともなっている。2)~5)は、全線をアスファルト舗装してバス運行にすれば、大幅に改善される。所要時間が大幅に短縮され、利便性が向上して利用者が増え、車両と運転士の運用効率が上がってコストが下がり、電車よりバスの方が専門性が低いため運転士の人件費も下がり、動力費と車両保守コストは大差なく、地上設備保守費は下がる。従って、社会的効用が向上すると同時に東京都交通局の事業性が向上する。

都電は、今の運行パターンのままでは、せっかくほとんどの区間で専用走行空間を持っていながら、鉄道としての能力を発揮し切れていないのである。私はもちろん、バスに転換すべきと言いたいのではなく、鉄道として効率的・合理的な仕組みに転換すべきと言いたいのである。1)~6)の具体的解決策は日を改めて書くが、高密度市街地を走行しており、大幅に社会的効用と事業性を向上させる方策があると、都電に乗車するたびに思う。

冒頭に書いたように、東京都交通局批判が目的ではない。それについては、日を改めて書く。

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2005年4月30日 (土)

脱線に関する研究

4/25(月)のJR西日本福知山線の脱線事故以来、全国的に鉄道の脱線事故への注目が高まっている。私は、JR東日本在職中、様々な業務を経験できたが、保線に関する業務が主体で、特に平成4年から3年間は、安全研究所及び(財)鉄道総合技術研究所(出向)で脱線及び乗り心地に関する研究に従事した。後に、技術士(試験の特徴から“記述士”とも言われる)第二次試験に合格した際の経験論文(出題3つのうちの1つ、3時間で4,000字を記述)では、安全研究所時代に実務を担当した脱線再現走行試験の経験(Word[43KB]pdf[25KB])を記述した。技術士法には、「技術士」とは「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」とあり、鉄道事業法で定める認定鉄道事業者(能力を有する人員の配置を条件に国交省への手続の一部が簡略化される)の設計管理者となることができる。

平成12年3月8日の営団地下鉄中目黒駅構内での脱線事故の際、その後の再現試験で車輪が浮上がる様子がテレビや新聞(一部では1面にカラー写真)で報道された。裏話をすると、その試験は、国交省の事故調査検討会WGリーダーのI先生に私の経験をお話したことが切っ掛けで実施されたものだった。

平成16年10月23日の新潟中越地震で上越新幹線が脱線した際も全国的に大きな話題となった。鉄道車両は、3cm弱のフランジと呼ばれる車輪のつばでレールから外れないように走行している。線路と車両の保守が適正に行われ、制限速度内で走行していれば脱線することはないが、直下型地震時に大きな軌道変位が発生した場合にはある確率で脱線が発生することが明らかとなった。その際、相応の投資により脱線確率を少しでも低減し、また脱線が発生した場合の被害を少しでも軽減する方策をペーパー(Word[33KB]pdf[10KB])にまとめた。何も難しいことを行うことはなく、脱線に関する研究に従事した中でフランジを高くすることが効果的だと直感し、それを第1項目に上げた。

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2005年4月29日 (金)

鉄道の事業性を阻む要因

今日は、全国鉄道利用者会議の学習会に参加した。亜細亜大学経済学部講師の佐藤信之先生による「日本の鉄道法制と今後の展開」と題する講演だった。佐藤先生は、鉄道ジャーナルの毎号に「鉄道政策ニュースを読む」を書かれている方である。鉄道を活性化させるために、建設費及び運営費への税金投入を増やすべきという論調で、会場の聴講者もその意見の人が多い。4/19(火)に書いた通り、私は、自動車へ過度に依存した交通体系から脱却するために共用・集約交通システムを充実させるべきだが、それは事業者のモラルハザードを招く公的補助によってではなく、自由な民間活動と市場機構による選別、そして交通弱者への公的補助によって実現されるべきという考えである。

ちょうど昨日、NIRA(総合研究開発機構)から、研究報告書『逆都市化時代の都市・地域政策 - 多様性と自立性の恢復による地域再生への途 -』の郵送が届いた。私の小文(Word[271KB]pdf[196KB])も掲載され、また、全体の「要約」(事務局の方が書いた)には以下のように記載されていた。
高度経済成長・人口増加時代から先送りされてきた都市構造の根幹に触れる問題として、自動車に過度に依存した交通体系からの脱却という中長期的な政策課題が存在する。鉄道と自動車を比較した場合、空問利用・エネルギー利用・環境負荷において鉄道は自動車よりも優れており、逆都市化時代と相性の良いコンパクト・シティ型の都市構造に誘導していく上でも有利であることから、鉄道等の公共交通に交通体系をシフトしていくことが求められている。わが国の鉄道が「公共交通」というレッテルを貼られているために本来の能力を発揮できていないことも改善すべきである。鉄道は「公共交通」ではなく「共用・集約交通」であると認識を改め、鉄道事業者に利潤最大化の価格設定権を与え、交通二一ズの特性に応じた交通システムが市場機構を通して実現されることを期待すべきである。基幹輸送は近代化された既設鉄道や新設される路面電車によって担われ、フィーダー(末端)輸送は中型・小型あるいはデマンド方式も含むバスや乗合タクシー(同方面の移動二一ズをITの活用により集約し効率性を高める)によって担われる地方都市の姿は、逆都市化時代において「共用・集約交通」が本来の能力を発揮している姿かもしれない。

調査研究の体制として、以下のように書いてある。私は原稿を依頼されたのみで委員会等へは出席しておらず、学科の先輩の大西先生以外にはご面識はないのだが、錚錚たる顔ぶれだ。
[委員長]
大西 隆  東京大学先端科学技術研究センター教授
[委員]
植田和弘  京都大学大学院経済学研究科教授
竹内佐和子 (株)投資工学センター代表取締役社長
松原隆一郎 東京大学大学院総合文化研究科教授
松本克夫  日本経済新聞社論説委員
三宅理一  慶應義塾大学大学院政策メディア研究科教授

講演後の質疑応答で、以下の2点を質問した。
1) 鉄道事業者は通学定期の高率割引を強いられ事業性を大きく損なわれている。現在の通学定期割引は、トヨタの販売店に行って「車を大学への通学のために使うので8割引きで売って欲しい。」と言うのと同じ。通学定期の高率割引は、事業者の負担によってではなく公的負担によって賄われるべき。
2) 県庁や市役所が大規模な無料駐車場を持つことや警察が違法駐車を十分に取締らないことは、ラーメン店の店先で官がうどんを無料で配給するのと同じで、鉄道事業者やバス事業者に対する民業圧迫。
先生からは「聞いているとそうだという気はするが、国交省等の公的場ではそういった議論は一切されていない。世の中の人達はそういった議論にほとんど関心がないので、理解してもらうのは容易でなく、分かりやすい説明を要する。」とのコメントを頂いた。講演後、福知山線事故の関係のテレビ出演を控えて時間がほとんどない中、1~2分だけお話でき、先生も最近ブログを始められたと伺い、早速アクセスしてみた。

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2005年4月28日 (木)

退職の挨拶回り

4/23(土)に、退職・起業に関する私の考えやここ数年の経緯を書いた。17年間勤務したJR東日本を4月末にて退職することとし、今日は4月の最後の平日なので出社して退職の挨拶回りをした。事前に、以下のメールを直近の仕事で特につながりの深かった200数十名の皆様へメールした。大きな組織で仕事をすると多数の方とのつながりができ、“特に”つながりの深かった方だけでも200数十名になる。お送り先のそれぞれの上司や部下の方まで合せるとさらに多くなる。

件名:退職のご挨拶とお礼
皆様へ
お疲れ様です。**の**です。件名をご覧になって驚かれたと思いますが、今月末をもって退職することとなりました。退職後に何をするかについて、簡単にご説明致します。
この3月、名鉄が岐阜の路面電車を廃止して撤退しました。環境の時代、また高齢化社会への対応としてLRT(近代的路面電車)を活用することは世界の潮流であり、今の時代に40万都市において路面電車廃止とは非常に惜しいことです。
縁があって、残されたインフラを活用して再生させることに関わっています。地元の皆さんとご相談し、新会社設立の準備を進めています。ご参考に、簡単な説明資料を2つファイル添付(岐阜路面電車再生に向けて(Word[30KB]pdf[6KB])、岐阜路面電車再生の事業計画概要(Word[79KB]pdf[18KB]))します。
また、日々の動きや私の考えをブログ(ネット上の公開日記)に記しています。 http://ar.tea-nifty.com/gifu 作成途上の詳細な『事業計画書』の最新版も掲載しています。4/7(木)以来毎日書いていますが、トップページは10日分のみの表示なので、それ以前は右側に表示のカレンダーの日付をクリックして下さい。
最後に、**在勤中は皆様に大変お世話になり、ありがとうございました。17年間の会社勤務で14箇所の職場を経験し、ここが最後の職場となりました。確実に成功できる保証のない道をあえて選択しましたが、17年間の様々な貴重な経験を糧として、吉報をご報告できるよう精一杯取組んで参ります。

退職する際には、「途中で仕事を投出して迷惑を掛けやがって。」とか「勝手な行動を取ったのだから勝手にしろ。応援なんかするものか。」と言われないようにしようと考えていた。新入社員の頃からお世話になって来た方とは「できることなら、何でも応援してやるよ。」「それでは、1000万円ほど出資をお願いします。」「退職金で1億円入る予定だからお安い御用よ。」なんて冗談を言い合いながら、田端駅近辺の東京支社と現業区所をできる範囲でご挨拶回りした。ほとんどの方から「頑張れよ。自分でできることなら何でも応援するよ。」「素晴らしい行動力。テレビに出て来るのを楽しみにしているよ。」等、思っていた以上の暖かい励ましを受け、大いに勇気付けられた。また、「これから我が社の屋台骨を支えてくれると期待していたのに。」「残念。やめないで欲しかった。」と思いのほかの言葉も掛けられ、微力ながらも周りの方に多少なりともお役に立てていたのかと安堵したと同時に、多くの方に支えられながら今までやって来れたと今更ながら感じた。お世話になりながら直接お会いできなかった方には申し訳なく思っている。

退職ご挨拶メールを15時頃に自宅から発信した後に出社したのだが、帰宅してメールチェックしたところ、多数の方から励まし・応援のお申し出・退職を惜しむご意見等を頂いていた。ありがたいことだ。退職に至るまで、表に裏に社内でも何人もの方にお世話になったのだが、おかげで思っていた以上の“円満”退職となった。あとは、お世話になった皆さんへご恩返しをするためにも、吉報をご報告できるように頑張って行きたい。

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2005年4月27日 (水)

アクセス解析と日々の動き

4/7(木)に新たなブログを立上げて以来、三日坊主にならずに1日も欠かさず投稿している。正直に言うと、24時までに作成が間に合わず、ダミーデータでとりあえず投稿して日付を確保し、後から差替えたということが何回かあった。このページには直近10日分のみが表示されるので、それ以前をご覧になりたい方は右側に表示のカレンダーの日付をクリック願いたい。

ブログ立上げ以来のアクセス解析(Word[71KB]pdf[21KB])を見ると、案内を出すに従い最大841件/日まで増え、平均500~600件のアクセスを受け、昨日時点で1万件を越えた。同じ人の繰返しのアクセス(システム上、同一日の同一PCからのアクセスをどうカウントしているかは不明なので、ご存知の方がいらしたらお教え願いたい)や表示を確認するための自分でのアクセスも含まれるので、実際に読んで下さっている方は300人/日くらいだろうか。個人レベルでこれだけの広報能力を持てるなど、10年前には全く考えられなかった。3年前でも無理だったろう。インターネットの普及により、組織の時代から個人の時代になると言われる。時代の幸運を感じる。

今日も、「ライトレールガンバレ」というメールを頂いた。各所から「新聞報道等だけの情報では、架線が撤去・譲渡車両が搬出等の暗いニュースばかりだが、このブログを読んでいると前向きに頑張っているようなので応援しています。」といった趣旨のメールを頂く。そういった暖かい励ましは、心の糧になり本当にありがたい。このブログは、日々の全ての出来事を書いているわけではない。今日も一昨日に引続き日帰りで往復し、地元のある方に事業計画をご説明して重大なある一歩があったり、いくつかの重要な打合せをしたのだが、まだ活字にはできない。引続き、多くの方のご期待に応えられるように頑張って行きたい。明後日から10連休なんていう声が聞こえて来るが、ここのところ、いつが平日でいつが休日なのかの感覚も麻痺している。また、熱心に応援して下さる方に何らかの具体的な参加をお願いできるよう、仕組みを作りたいと考えている。

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2005年4月26日 (火)

東京での各所巡り

今日は、1日がかりでSさんと2人、途中からFさんが合流して3人で、東京近郊の各所を相談めぐりした。それぞれ応援の約束を得られたり有意義な話ができたりで、8時前に家を出て23時過ぎに帰宅したが、充実した1日だった。

最初は、日本起業家協会理事長、(株)ケイエスピー社長、川崎商工会議所副会頭といういくつもの要職の肩書きを持つYさん。長年に渡り起業家支援に取組まれている方で、私も6年前からお世話になっている。以下のようなアドバイスを下さり、会社設立の発起人としてのご参加もお約束下さった。
・人生を掛けるに値するやりがいのある社会的にも価値のあるプロジェクトであり、ぜひ頑張って欲しいし応援する
・鉄道を利用していると、何か工夫の余地がたくさん残っていてビジネスチャンスがあるように感じる
・鉄道を軸としてバスや乗合タクシーとも組合せた便利な移動サービスを実現すれば、マーケットはありそう
・岐阜で成功するには地元財界の路面電車待望論が不可欠で、商工会議所・青年会議所・商店街理事会等での応援者を増やすべき
・その上で政治家の働きかけも必要だろうが、地元の盛上りなしに政治家が動いてもダメ

次に、金融関係のKさんとKさん。ネット上の記事を見て関心をお持ちになり、1ヶ月ほど前にメールを下さった。インターネットの力は本当に偉大で、ここ数ヶ月、ネットを切っ掛けに多くの素晴らしい方と知合えた。YAHOO検索での「岐阜ライトレール」のヒットも日々増えて60件くらいになった。部長代理のKさんから「前職でベンチャーキャピタルにいて多数の事業計画書に接したが、これだけしっかりした事業計画書はなかなかない、ベンチャーキャピタルへ出資を求めに行く価値も充分にある、今後の展開によっては上場にまで達する可能性もある。」とお褒め下さり、多少自信を持つことができた。

次に、ファクトリアルというITベンチャーを学生時代に起業したK社長とO取締役。仮に路面電車事業を担えるようになった場合、以下のシステム開発をお願いしたいとお話した。
(1) 運転士乗務希望マッチング・出退勤管理システム
(2) GPSデータを活用した運行状況把握・情報伝達システム
(3) ハイテク運賃収受データを活用した利用実績把握・活用システム
いずれも、派遣社員手配システム・トラックタクシー配車システム・バス接近情報システム・売上げデータ把握活用システム等の開発済みシステムを応用することにより短期間・低コストに開発できるだろうとのことで、期待通りのシステム構築能力を持っている。その他、利用者向けネットコミュニティの開発等の話も弾んだ。また、Webの構築等を手軽にお願いできるように、地域再生や交通に関心のある学生をインターン的に紹介することも検討して下さるとのことだ。

最後に、池袋東口のLRT東京新聞記事)の関係者の皆さん。日本で最初のLRTを実現しようという高野区長の意欲とエネルギーは素晴らしい。池袋は、岐阜と比べたら桁違いの人の多さで、運行開始すれば確実に投資コストも回収してビジネスとして成立たせられる自信はあるが、車道か歩道を削って線路を敷くことの社会的合意をまとめるのは容易でない。そういった点で、岐阜の既存インフラを活用できる場で成功例を作れれば、池袋でも事業提案を受入れられやすくなる、資金調達もしやすくなると考えている。

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2005年4月25日 (月)

鉄道は能力を発揮し切っているか

昨日は、新幹線のおかげで自動車よりはるかに生産性の高い良質な移動ができ、今回の活動を実行できたと書いた。しかし、新幹線は鉄道が本来持っている能力を発揮し切っているだろうか。

いつ見ても、こだまは空いている。特にグリーン車はほとんど乗っておらず、わずか乗っている人もほとんどはダンピングされた企画切符の利用だろう。のぞみも、混んだ電車と空いた電車の格差が激しい。何十回も乗っているとパターンがだんだん分かって来る。臨時、先行電車と間隔が狭い、新大阪始終着、品川に停まらない電車は空いている。その逆の電車は混む。名古屋と行き来するなら、のぞみに抜かれないひかりが1時間に1本あり狙い目。小売業で言えば、品切れにより潜在需要を取りこぼし、賞味期限切れの廃棄により無駄なコストを要しているのである。バスと比べて電車の長所は、同じ1人の運転士で編成両数の増減により輸送力を調整できることである。にも関わらず、全列車種別・全期間・全時間帯・全区間とも16両の固定編成で運転したのでは、混雑とガラ空きの格差が生じて当然である。

関連したことを書くと、季節や曜日による需要波動を運転本数で調整しているので多数の臨時列車があり、その日に走っているのか判別するのに細かい日付の並びを追わねばならず不便この上ない。ダイヤをパターン化して需要波動への対応を編成両数ですれば、そのようなことにならないし、運転士の乗務行路も日によって変わらず組みやすくなる。

のぞみの通過待ちをしたこだまは、通過して1分くらいしないと出発しない。270km/h走行ではその間に5kmくらい先まで行っており、こだまがフルスピードになる頃には10数km先まで行っている。路肩に停車した自動車が発進する時に、高速で通過する車をやり過ごして1分しないと出発しないなどということをしようか。のぞみが通過して何秒後(速度差を考えれば“前”でもおかしくない)にこだまが出発できるかが、路線全体の線路容量を決めているのである。また、こだまはロスタイムが増えれば増えるほど、サービスが悪くなるのはもちろん、車両と乗務員の運用効率が落ちてコスト増になるのである。信号システムの機能が低いために、こんなことが起きている。

時間を拘束される指定席が、時間を拘束されない自由席より高価なのも不合理である。今年になってからの岐阜と東京の行き来が、今日で11往復となった。22回で指定席を取ったことは1度もない。日々如何に時間を生み出そうかと工夫している中、自宅最寄り駅の蒲田は指定席の自動券売機がまだなく、みどりの窓口の行列になんか並んでいられない。状況に応じて臨機応変に対応している中で、どの電車に乗るかを事前に決めて携帯電話で予約(自由席より安い)などしていられない。発車間際で指定席を取れるくらいだったら自由席でも必ず座れるので、岐阜や品川ではいつもみどりの窓口の行列を尻目に、脇の自動券売機で自由席券を買っている。費用便益分析と称するものでは、交通における時間ロスによる経済的損失を所得接近法(収入を労働時間で割り時間価値を求める)で50円/分などと計算する。切符を買うために10分行列というのは500円の経済的損失、毎日それが全国で何十万人と考えると気が遠くなる。ところで、何回か自由席で座れないことがあった。指定席はもちろん取れない(ただし、取った指定席より早くに駅に着いて先行電車に乗る人がいるので満席ではない)。打合せ先用の説明資料を新幹線の中で作成するつもりだったので困ってしまい、デッキにカバンを置いて座込んでPC操作したこともある。

普通に考えて合理的でない仕組みや、ITの普及を考えたら容易にできることができていないことが、そこかしこにある。4つの分かりやすい例を出したが、他にもいくらでもある。新幹線ばかりでなく在来線も同様である。JR東海を非難するために書いている訳ではない。4/19(火)のブログに書いた通り、今の運輸政策の下では、鉄道事業者が創意工夫をしようというインセンティブを持ちにくいのである。不合理に気付いている人が社内にいても、組織として実行するインセンティブが薄く、事なかれ主義の意見に呑まれてしまう。鉄道が本来持っている能力を発揮できていないということを、私は小学校中学年頃から思い続けているので、かれこれ30年以上になる。逆に言えば、それだけ大きなビジネスチャンスが広大に拡がっているということであり、岐阜路面電車の再生においては、普通に考えて当り前のことを当り前に実行したいと思う。

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2005年4月24日 (日)

鉄道なかりせば活動できず

昨日書いた年末行脚をするのに、もし仮に新幹線がなく自動車で移動していたとしたら、とても3日間では同じことをできなかった。品川→広島→岡山→新神戸と京都→名古屋→品川を新幹線、新神戸→京都と名古屋→岐阜→名古屋を在来線その他で移動したが、新幹線を軸とすればドア・ツー・ドアで150kmを100km/h、400kmを150km/h、900kmを180km/h程度の平均速度で移動できる。自動車ではその6割程度の速度、すなわち1.5倍以上の所要時間を要する。しかも、鉄道なら移動中に1)打合せ、2)睡眠、3)食事、4)PC操作ができる。自動車では、1)はできるが、2)と3)は他の人が運転中に限ってできるだけで、4)はほとんどできない。

しっかりした鉄道は、自動車よりはるかに生産性の高い良質な移動ができるのである。経費の面でも、直接的コストですら、新幹線を主体とした鉄道は少人数乗車の自動車より実は割安である。新幹線は固定費と変動費を同時に払うため、変動費のみの自動車より割高に感じるが、自動車も車体購入費・車検代・保険料・保管駐車場代等の固定費を同時に払って1人乗車では新幹線よりはるかに高価である。排ガス・騒音公害・自己負担していない空間占有コストといった外部不経済まで考えれば、自動車は社会的に極めて不経済である。にも関わらず、社会が自動車へ過度に依存した交通体系に至った原因については4/19(火)のブログに書いた。

今年に入ってから114日の間に、岐阜と東京を10.5回往復した。自宅と岐阜の事務所の間400km弱を2時間40分前後で移動できる。ドア・ツー・ドアの平均速度は約150km/hで、現在の自動車では不可能だし、数兆円の投資をして第2東名高速道路が完成しても不可能である。移動中の時間の有効利用の差は言うまでもない。

岐阜路面電車に話を移そう。繰返し書いているJR岐阜駅乗入れ、所要時間の4~7割への短縮、運転本数の1.5~6倍への増大を実現し、さらにフィーダー輸送(出発地と駅、駅と目的地の輸送)を充実させれば、沿線の輸送において路面電車が自動車より生産性の高い良質な移動となるケースが相当増える。事業計画概要の中で、名鉄時代は岐阜市人口40万人に対し90人に1人、岐阜市18才以上人口30万人に対し普通切符160人に1人の利用と書いた。楽観的予測で使っている「3種の切符の加重平均1.81倍、普通切符2.5倍」という数字は、岐阜市人口に対し50人に1人、岐阜市18才以上人口に対し普通切符64人に1人の利用ということである。利便性を向上さえすれば、決して過大ではない。

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2005年4月23日 (土)

退職・起業のこと

交通に関する私の考えを、多少極論だが以下に記す。
・世の中には交通で困っている、それが解消されるならお金を払っても良いと思っている人がたくさんいる。
・環境・エネルギー・高齢化対応等の面で、個別でなく共用・集約の交通システムの発展が望まれている。
・各個人あるいは社会全体で交通に関して困っている点へ、許容範囲のコストで応える技術的方策はある。
・従って、ニーズ(マーケット)・シーズ(技術)の両面から交通に関して大きなビジネスチャンスがある。

17年間勤めた会社に入社した動機は、世の中で望まれている共用・集約交通システムを便利にすることを通して、会社の発展ひいては世の中に貢献したいという気持ちだった。しかし会社の経営方針は、鉄道や交通は成熟産業で爆発的に売上げが伸びる余地はないので、リスキーな積極的方策は打たずに既存の枠組みの中で安全安定輸送に努め、鉄道で培ったブランド力を武器に、駅に多数集まるお客様をターゲットとして小売や交通以外のサービスで業容拡大を図るというものだった。

会社の根本の経営方針と自分の考えが相容れない中、平成10年8月にある方のお話を伺って起業するのも1つの選択肢だと考え始めた。それ以前、大前研一の一新塾には通ったが、起業志向のアタッカーズビジネススクール(ABS)には関心がなかったのを、次の期のABSに通い始めたのを皮切りに、アフター5と休日を使って7年間に渡り起業の可能性を探って来た。平成12年には、ABSのOB紹介に記事を書いた。5年も前で今から考えると多少生意気なことも書いている。

冒頭に書いた考えは今も変わっておらず、「交通を便利にすることが世の中から求められていて、それをうまく実行することがビジネスにならないはずがない」と考えている。私の考えを整理したものは、4/19(水)に紹介した。そんな中、岐阜路面電車に出会い、その再生を成功例とすべく、昨年末ごろから退職して起業することを真剣に考え始め、年末に相談行脚したことを以前のブログに書いた。その後も、関係する人の意見を聞いたり、輸送改善した想定ダイヤを考えたり、概略の収支試算をしてみたり、いくら検討を深めても、廃止すべき理由も再生できない理由も見出せなかった。進んでも進んでも抵抗勢力に出会えなかった。

一方、退職・起業のことを多くの人に相談し始めたところ、ほとんどの意見はNOだった。典型的な意見は「20代前半の若者ならともかく家族のある身で、勝組みの立場を失ってリスクを背負ってまで取組むのは、あまりにもバランスが悪い判断」というものだった。家族の理解も得られず、退職もままならず、休職して活動することを会社に申出ても認められずで、毎日、昼間は会社に勤め、岐阜関係のことを調べたり資料を作ったり各所にメールを送ったりは毎晩22時から2時ごろという生活が続いた。上司に何とかお願いして、2月中旬頃からは週に2日ずつくらい年休を取って活動時間を増やせ、3月中旬頃からは連続して年休を取れることとなった。そして今月末で正式に退職することとなった。普通の感覚では突拍子もないことに見えるだろうが、ここまで来た以上、精一杯のことをやるしかない。

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2005年4月22日 (金)

岐阜路面電車の収支試算

公開している事業計画書の最新版は、4/14(木)のver.7(Word[610KB]pdf[874KB])である。その後、4/18(月)に事業計画概要のバージョンアップ版(Word[79KB]pdf[18KB])を公開した。そこでは、市内線の架線撤去が始まったことと利用増が過大との意見を受け、電力設備は一切継承せず車両はDMVとし、また需要予測は控えめの数値にすることとした。それに対応する事業計画書はまだ公開していないが、今日はその前段で収支試算の表を公開することとする。事業計画書及びその概要に貼り付けるExcelで作成の表(Excel[271KB]pdf[170KB])を公開する。

表29(利用増の楽観的予測)と表30(利用増の悲観的予測)が全要素を集大成した収支試算(財務上の損益収支とキャッシュフロー上の資金収支)である。Excelファイルは21シートからなり、収入・支出を求めるために関係する数値を順々に求めて最終的に表29・30に集約されるように計算式を組んだ。今回、表を見直したところ何箇所か細かな誤りを見つけた。計算式を追うと関係する数値の相互関係が分かるので、もし誤りを見つけた方はご連絡願えると助かる。

事業計画書ver.7と比較して、スタートアップ時に揖斐線・美濃町線の両系統用にDMVを用意する分、17年度の設備投資額が大きくなる。スタートアップ時の資金調達額が大きくなるが、事業性は充分に確保できる。

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2005年4月21日 (木)

ここ数日のこと

18日(月)は、Tラジオの電話取材を受けた。月~金曜朝6:30~9:00放送の「小島一宏モーニングあいランド」中8:06~8:13の「こちらトクダネ情報部」を火曜隔週で持っている源石アナウンサーは、岐阜の路面電車問題を5年前から追っているとのことだ。3/30(水),4/5(火)に続き4/19(火)と、路面電車再生に関することで現地取材と私のコメントを合せて4分間ずつ放送して下さった。今後も1週間おきに放送時間を取って下さり、5月末には路面電車の特番まで放送して下さるとのことだ。

20日(水)には、今まで17年間勤務した会社の退職手続きで久々に出社した。退職金関係、保険関係その他、諸々の手続きをした。退職手続きは大変だぞと何人かの人から脅されていたが、事務センターの担当の方がすごく親切で、本人以外ができることは全てやって下さり大助かりだった。

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2005年4月20日 (水)

関市エリア向けの説明資料

関市エリア向けの説明資料を作ってみた。本文(Word[30KB]pdf[6KB])は以下の構成とした。各フレーズを説明相手に応じて変えながら使い分けていきたい。文中で「添付資料」と書いたのは4/18(月)に投稿した事業計画概要のこと。
1.基本的理念
2.事業実施上の具体的取組み
3.事業性
4.実現に向けて地元へのお願い

また、細かい数字や説明を付けずに利便性(区間、所要時間、運転間隔)との向上をストレートに書いたビラ(Word[27KB]pdf[5KB])も作った。例として出した区間をビラ配りするエリアに応じて変えながら使い分けていきたい。

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2005年4月19日 (火)

自動車へ過度に依存した交通体系からの脱却

大学の先輩からのご依頼で、NIRA(総合研究開発機構)の研究報告書『逆都市化時代の都市・地域政策 - 多様性と自立性の恢復による地域再生への途 -』の中で、「地方都市とTOD(Transit Oriented Design 公共交通重視の都市政策)- 自動車へ過度に依存した交通体系からの脱却を目指して -」と題して小文(Word[271KB]pdf[196KB])を書いた。構成は以下の通りである。

1.はじめに
2.自動車へ過度に依存した交通体系の問題点

 (1)空間利用の非効率性
 (2)エネルギー利用の非効率性
 (3)環境負荷の大きさ
 (4)交通事故の頻発
3.自動車へ過度に依存した交通体系となった原因
 (1)自動車の技術革新と鉄道の停滞
 (2)道路の大量建設と鉄道の財源不足
 (3)自動車は費用負担を逃れ、鉄道は相対的不利に
4.自動車へ過度に依存した交通体系からの脱却
 (1)交通システムの所有から利用へ
 (2)公的補助による公共交通充実の問題点
 (3)自由な民間活動による共用・集約交通の充実
 (4)民間活力の源泉は収益、収益は社会貢献の証し
 (5)交通弱者へ公的補助し交通機関選択は任す
 (6)提言のまとめ
5.完全な市場機構活用の前段階の次善策
 (1)次善策の提言
 (2)現在でも自動車より鉄道が選択されている領域
 (3)現在は鉄道より自動車が選択されている領域
6.逆都市化時代に関する若干の考察
 (1)逆都市化は交通の発達の飽和が原因
 (2)交通の発達による逆都市化の流れへの歯止め
7.おわりに

2.で自動車へ過度に依存した交通体系の問題点を整理し、3.でその原因を探り、4.でそこからの脱却策の理想解を提言し、5.で当座の次善策を提言し、6.で関連する若干の考察をした。2.は、どのお立場の方からも分かりやすく整理されているとの評価を得られよう。3.は、若干の極論を含むがおおむね了解できると評価されよう。それに対して、4.と5.は、おそらく多くの方から異論が出よう。公共交通は社会的費用便益分析で黒字なら、経営財務が赤字であっても税金で補填して運行すべき、という議論が多いが、私はそれに基本的に反対である。公共交通事業者が創意工夫するインセンティブが薄れ、そもそも社会的に必要な公共交通への経営資源の分配が過少になると考えるからである。詳しくは本文をお読み願いたい。6.は、なんとなくそのような気はするが、いま一つその通りとは思えない、といった意見が多かろうか。

いずれにしろ、様々なご意見、前向きな反論をお願いしたい。もちろん、末尾の「小さなもので良いから、1日も早く具体的成功事例を作りたいものである。」は、岐阜を意識している。

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2005年4月18日 (月)

事業計画概要のバージョンアップ

多くの意見を踏まえ、また、市内線の架線撤去が始まったことを受け、以下の手直しをした。(Word[79KB]pdf[18KB]
 ・潜在マーケットが膨大なことを強調
 ・電力設備は一切継承せず、車両はDMVとする
 ・定員28名のマイクロバス改造車両を背中合せ連結し4000万円/編成
 ・事業開始時は21編成、平成21年には29編成を使用
 ・需要予測は控えめにして、トータル楽観で1.81倍、悲観で1.45倍に
 ・資金調達の内訳を明記
 ・楽観では余裕を持った経営、悲観でもギリギリに経営可能
 ・民設民営でなく公設民営であれば事業性がより向上することに言及

特に、多くの方から利用増の見込みが過大ではないかとの意見を受けた。新しいラーメン屋を開店して1日に何食売れるかはやってみなければ分からないのと同様に、輸送改善の効果がどれくらいかは誰にも分からない。所要時間・運転間隔という直接的指標の他に、店舗と提携して買物客に切符サービス、個々の企業や学校を訪問して個別営業活動等、利用増をさらに増やす要素は他にもある。輸送改善を受けて、沿線への公共施設・企業・商店・住宅等の立地が進めば、さらに利用は増えるし、逆に少子高齢化の影響であまり増えないかも知れない。

私が輸送改善や新線開業の事例を多数見て来た中では、予想を大幅に上回る例と、逆に大幅に下回る例が多い。画期的な利便性向上の場合は前者のケースが多く、利便性が低い場合は後者のケースが多い。東海道新幹線・武蔵野線・埼京線などは前者の典型である。3セク鉄道・千葉モノレール・多摩都市モノレール・都営大江戸線などは後者の典型である。さて、今回のケースはどちらだろう。JR岐阜から忠節まで9分、関まで40分で10分おき、徹明町まで終日1時間に18本というのは、相当に画期的なサービスではないだろうか。悲観的予測の1.45倍より低いことはありえず、楽観的予測の1.81倍も大幅に超える可能性は充分にあるように思う。そうすれば地元の期待が高まると同時に資金繰りが楽になり、本計画より早くに輸送改善を進められ、さらには神田橋通りや県庁方面への延伸、単線区間の複線化も視野に入って来る。

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2005年4月17日 (日)

中日新聞への投書から

4/10(日),11(月)と、中日新聞の投書欄に岐阜路面電車廃止を惜しむ声が載っていた。曰く「路面電車は街にうまく溶け込み、岐阜のシンボル的存在だった。」 曰く「スピード時代とは対照的にゆっくりと走る路面電車は、街の景観ともよくマッチしている。」 廃止に関連した紙面における利用者や沿線の人へのインタビューでもこういった趣旨の声が多い。

せっかく投書をされた方、インタビューに答えた方、それを取上げた新聞社を非難する気持ちは毛頭ないが、私はこういった考えで路面電車を残そうとは思っていない。平成15年秋に初めて岐阜の路面電車を見た時、ノスタルジーや文化遺産として残すのでは価値がない、日々の生活に役立ち多くの人に使ってもらえてこそ残す価値がある、この立地条件ならそうできる可能性は充分にある、と感じた。

17年間勤めた会社を退職(その経緯については後日記す)してまで、自宅から400km近く離れた岐阜路面電車の再生に取組もうと決断したのは、ビジネスとして成立させられると判断してのことである。環境問題への対応、高齢化社会におけるバリアフリーな交通システム、中心市街地活性化のためと、いくら理念やスローガンを並べ立てたところで、実際の利用者が少なく財務的にも成立たないのでは社会の中での存在意義は少ない。事業としての採算は赤字でも社会的費用便益分析で黒字なら、税金を投入してでも存続させる価値はあるという議論もある。しかし、40万都市において道路占用許可のみで地代も固定資産税も負担せず、設備投資の相当割合を自己負担せずに済む、という充分に優遇された環境ですら黒字経営できないとしたら、鉄道が本来持つ力量を発揮できていないということである。

私は、文化事業でも慈善事業でもなく、ビジネスとして成立させられるように頑張って行きたいし、ビジネスとして成立させられるほどの市民からの選択を得られたら、それは岐阜の人々や地域へお役立ちできた証しだと考えている。

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2005年4月16日 (土)

路面電車なくともトラブルなしの意味

4/1(金)の岐阜新聞に、「三線沿線の各所で、道路渋滞と大気汚染の悪化、代替バスの輸送力不足による積み残し、渋滞によるバスの定時性喪失などが予想される。揖斐線と並行する国道157号はほかにも広い道路があるが、美濃町線と並行する国道156号は代替道路がない。深刻な渋滞が発生し、岐阜市と美濃エリアの交流の衰退が懸念される」との私のコメントが掲載された。ここ半月、各所を見て回りまた各報道を見ると、バスの若干の積み残しや最大30分の遅れ等、上記の事柄が局所的には起きているが、あちこちで大きな社会問題となるようなトラブルが起きているという状況ではない。これは、以下の2つのことを意味しよう。

1つ目は、悲しいかな、路面電車の役割が小さかったということ。高校生は自転車へ転換した割合が高く、残りの相当割合は代替バス及び一部増発を含む既設バスに転換したわけだが、大幅な輸送力不足は来たしていない。また、バス及びマイカーの交通量が多少増えても、どうしようもない渋滞状況にはなっていない。というくらい、通勤・通学輸送において路面電車は、残念ながら社会にそれほど大きな貢献をしていなかったことが証明されたと言える。

2つ目は、さらに悲しいかな、岐阜市と沿線地域の結び付きがますます弱まったということ。高校1年生は受験時には廃止が確定していたので、電車がないことを前提に受験校を選んだであろう。2年生も結構そうだろう。名古屋に通う大学生は、この春から名古屋市内へ下宿するようになったという話も聞く。また、揖斐線沿線はJRの穂積または西岐阜経由に変えた人が多いし、関・美濃は高速バスで名古屋まで1時間~1時間40分で、いずれも岐阜市に立寄りさえしなくなる。柳ヶ瀬では、4月以降さらに人通りが減ったという声を聞くし、閉鎖店舗は増える一方である。元々中央線沿線の多治見・土岐・瑞浪・恵那・中津川の各市は名古屋との結び付きが強く、さらに北方・本巣・大野・関・美濃・郡上の各市町まで名古屋と結び付いてしまったら、県都である岐阜市の位置付けはどうなろうか。

バスの積み残しや渋滞は、晴れの日は深刻でないにしろ、自転車の高校生がバスに移る大雨や大雪の日はそれなりのトラブルが起きよう。また、各報道では朝輸送が注目されているが、クラブ活動帰りの高校生や塾通いの中高校生はどれほど困っていようか。極論すれば、クラブ活動の不活性化と学力低下を招いていよう。そして、そういった目前の話よりも重大なのは、岐阜市の陸の孤島化と中心部の衰退の加速である。最近も柳ヶ瀬で借金を苦に親子心中という悲しい事件があったが、柳ヶ瀬商店街の状況は相当に深刻である。

以上、読む人の気持ちが暗くなるように書いたわけではない。やはり岐阜市の活性化に、路面電車の再生が欠かせない、と言いたいのである。もちろん、地域への貢献の低い不便な路面電車でなく、我々の提案する地域への貢献の高い便利な路面電車として。仮に、岐阜路面電車を公設民営かつ運営赤字を公費補助という形態で存続させていたらどうなっていただろうか。昨年議論されていた計画では、利便性の向上よりも経費節減による赤字圧縮が主体に議論されていた。その計画では、この春に証明されたように地域への貢献が低いまま存続だけして、利用者のジリ貧傾向は変わらず、毎年赤字補填に税金を投入し、おそらく10年後くらいには持ち応え切れずに廃止になっていたであろう。今回の我々の提案が社会に受入れられれば、岐阜の地域活性化に少しでもお役に立てるようになりたいと思う。

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2005年4月15日 (金)

昨年7月の市長記者会見

昨年7月に市長が路面電車存続断念をした時の関係資料3つを示す。平成16年7月23日記者発表資料(Word[268KB]pdf[222KB])、同記者会見(Word[82KB]pdf[67KB])、同7月27日記者会見(Word[67KB]pdf[61KB])。その中のキーワードを以下に示す。
 ・車中心から公共交通・自転車・歩行者を重視した交通体系への転換
 ・公共交通は21世紀に向けてふさわしい交通手段
 ・公共交通の活用が岐阜市のまちづくりに対して大きな影響
 ・路面電車の有効性についてはまったく疑念がない
 ・岐阜市への求心力を保つにあたって、路面電車は非常に大きな役割
 ・観光都市という観点から見ても路面電車の役割は象徴的かつ重要

市長記者会見で路面電車の話が盛上った関係からか、昨日はG放送のT記者からも電話取材を受けた。18日(月)にはT放送の取材を受け、19日(火)朝に4分間ラジオ放送して頂けることになっている。既に3/30(水)と4/5(火)にも同様に私のインタビューを放送して下さっており、今後も路面電車再生の可能性の灯がある限り隔週で放送下さる予定になっている。

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2005年4月14日 (木)

事業計画書ver.7

事業計画書のver.7(Word[610KB]pdf[874KB])を公開する。表18のように段階的に輸送改善し、表22のように収入を増やす。それには、表25の車両数と運転士数、表27の設備投資、表28の社員数(運転士含む)が必要である。表29(利用増の楽観的予測)と表30(利用増の悲観的予測)が全要素を集大成した収支試算(財務上の損益収支とキャッシュフロー上の資金収支)である。楽観的予測で4年目に単年度黒字、5年目に累積黒字、悲観的予測で5年目に単年度黒字、10年目に累積黒字となる。名鉄が廃止という結論を出さざるを得なくなった「今までの悪循環」と、再生を図る「今後の良循環」を表31に整理した。

利用増が過大ではないかという指摘を受けているが、私が今までに各所で見て来た輸送改善による利用増からすると、むしろ控え目くらいに思っている。これについては、後日改めて書く。

まだ、記述し切れていない箇所があり、また書き足したい事柄もあるが、多くの方からご意見を受けたいので未完成ながらも公開することとした。

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2005年4月13日 (水)

事業計画概要

今日は、事業計画書全文の前に2ページものの概要書(Word[81KB]pdf[16KB])を公開する。資料は「1枚ベスト、2枚ベター、3枚リミット」というのが私の基本ポリシーだ。基本的ストーリーは以下の通りで、経費節減を主体とする縮小均衡策では存続させる価値はなく、利便性向上を主体とする拡大均衡を図ってこそ存続させる価値があると考える。名鉄から資産を10億円強で買取り、補助金を含めて50億円弱の設備投資をして輸送改善を重ねて利用者を増やし、毎年の経費を賄い、買取り及び設備投資資金も回収できるという収支試算となった。
1.事業運営の基本方針
 純民間ベースで経営し、既存インフラを活用し、新技術や発想転換により利便性を飛躍的に向上し、鉄道事業経験者が事業運営し、地域参加を重視
2.事業の実施体制
 資本金は開業時2億円、平成21年に6億円、従業員数は平成21年に約110名
3.名鉄時代の収益構造
 通学定期が利用の過半だが価格設定が低く収益に貢献せず、普通切符が少ないことは自動車を運転できる人はほとんど使っていなかったことを示唆
4.利便性向上の具体的内容
 JR岐阜駅高架下乗入れ、所要時間5~7割に、運転本数1.5~6倍に
5.段階的な輸送改善と必要な設備投資・車両・要員
 毎年、設備投資し、車両増備し、要員増強して輸送改善
6.再生後の旅客収入予測
 名鉄時代の6.1億円に対して、楽観的予測18.5億円、悲観的予測14.8億円
7.収支試算(その他収入を含む)
 楽観的予測で4年目に単年度黒字、5年目に累積黒字、悲観的予測で5年目に単年度黒字、10年目に累積黒字
8.今までの悪循環と今後の良循環
 今まで:不便→使わない→儲からない→地元が非協力→振出し、今後:便利→使う→儲かる+地域貢献→地元が協力的→振出し

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2005年4月11日 (月)

コメントへのお礼

毎日、多くの方から個別メールを受けたり、このブログへのコメントを頂いている。今は事業計画書の精査に全力投球しており、個別にご返信できず申し訳なく思っているが、全てに目を通し参考あるいは心の糧にさせて頂いている。

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2005年4月10日 (日)

中日新聞の社説

本日の中日新聞の社説、毎週日曜日恒例の「週のはじめに考える」にて、「もし自分のものならば」と題して書かれた中で岐阜路面電車のことが取上げられた。路面電車に関わる箇所を以下に引用する。

「自分のもの」と信じられれば、もっと大切にしますよね。「自分のもの」と感じられれば、もっと楽しくなれますね。路面電車も、部活も、万博も。鵜(う)飼いとともに岐阜市のシンボルだった赤い路面電車が、この春姿を消しました。九十四年の勤めを終えて、廃線になりました。路面電車は不思議な乗り物です。広島や岡山のLRT(次世代路面電車)が、環境と人に優しい交通手段といわれて脚光を浴びる一方で、北九州や函館などでも路線は減り続けているのが現実です。フランスのストラスブールは一九九四年、約三十年ぶりに路面電車を復活させ、欧米を席巻する路面電車ブームの火付け役になりました。大胆な流線形、超低床のユーロ・トラムは、歴史ある街の風景に溶け込んで、旅行者の人気も集めています。これは、路面電車復活を公約した新人市長候補者を市民が支持した結果です。市街地の渋滞を解消し、にぎわいを取り戻そうという街づくりのデザインに賛同し、実現に心を合わせた成果です。富山県高岡市の万葉線は、廃線のがけっぷちから、行政と市民が議論の末に共同出資の第三セクターを設立し、存続を決めました。利用者である市民自身の積極的な関与があるから、行政からは必要な財政措置を、運営者からは血のにじむ経営努力を引き出すことができるのです。その街の交通機関を「自分のもの」だと思えたら、自ら守り育てていこうとするのはむしろ当然でしょう。もともと交通機関とは、住民の暮らしを規定する骨格や血管の役目を果たすものだから。

私は、利便性の高い地域に役立つ交通システムを実現する最も重い任務と責任を持つのは、行政でも市民でもなく、交通事業者だと考えている。携帯電話が短期間でこんなに普及して生活が便利になったのは、行政の取組みの成果でも市民の努力の結果でもない。携帯電話事業者の血のにじむ努力の結果だ。PCも、自動車も、家電製品も、スーパーやコンビニも然り。路面電車だって同じはず。路面電車を再生させ、地域に貢献し、市民の皆さんに「自分達に欠かせないもの」「そのためには道路の使い方で路面電車を多少優先させよう」と思ってもらえる、そんな電車を創り出せる会社にしたい。

ところで、中日新聞の神谷さんは、昨日紹介した岐阜新聞の記事の大半を書いた岡本さんと並んで、路面電車に関して熱心に取材し多数の素晴らしい記事を書いている。お2人とも、岐阜市市民交通会議には毎回取材にいらっしゃり、岐阜あきんど会ワークショップ(HPでは経費3分の2+収入倍増と書かれているが、経費節減より収入増=地域貢献増を重視し、経費横ばい+収入3倍の計画)にも取材にいらして下さった。

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2005年4月 9日 (土)

岐阜地元新聞の報道

3/31をピークとして、路面電車の乗り納めや見納めに県内外から多くの人が訪れ、大フィーバーだった。また、3月下旬から4/1にかけて、各紙とも路面電車に関して多数の記事が掲載された。特に地元で最も購読者数の多い中日新聞の岐阜県向けと、地元紙の岐阜新聞は、3/30,31、4/1の朝夕刊とも、1面左側にカラー写真付きで何件も記事掲載した。他の新聞も路面電車への注目度は高い。いずれも、沿線の多くの人の路面電車廃止を惜しむ声、もう少し活用の仕方があったのではないか、将来後悔するのではないか、といった意見が多数掲載された。私も、中日新聞の神谷さん、岐阜新聞の岡本さん、毎日新聞の式守さん、東海ラジオの源石さんをはじめ多くの方とお付合いさせて頂き、記者の皆さんの路面電車をできれば岐阜の街に活かしたいという思いを良く知っている。

岐阜新聞の3/24~28の連載は、綿密な取材と丁寧な問題点の整理に基づいた力作で、多くの人にお知り願いたい。その連載+4つの考えさせられる社説・記事等を6ページもの(Word[236KB]pdf[162KB])に整理した。他の各紙も鋭い切り口の記事を多数報道している。私は、「廃線についての新聞報道を見ても、市民が路面電車の再開を強く望んでいる」と感じている。

また、今朝の中日新聞に「岐阜の路面電車代替バス 新学期にも混乱なし」と掲載された。バスは電車と比べて格段に値段が高く、自転車に代えた高校生が多い。晴れの日は良いが、大雨や大雪の日はその多くがバスを利用し、それなりのトラブルが起きよう。一方、路面電車がなくなってもそれほどの混乱が起きないということは、今までの役割がそれほど低かったということを示す。我々が目指すのは、便利で、多くの人に使われ、街に多くの人を運び、地域に役立つ路面電車である。

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2005年4月 7日 (木)

岐阜路面電車再生に向けブログの1日目

岐阜の非常にアクティブなある方からアドバイスを受け、新たなブログを立上げ今後は毎日投稿しようと思う。

新岐阜7:55発、富田学園8:14着のバスに乗った。学校も始まり雨も降り、車内は超満員、新岐阜以降の各バス停とも積み残し、到着は約20分遅れた。さぞかし皆困っているのでは思ったが、後続8:39着は5分以内の遅れで、超満員ではなかった。残念ながら(?)、「高校生、遅刻続出!!」とはならなかった。学園理事のH様にお話を伺ったところ、「今まで自助努力で対応せざるを得ず、観光バス会社と契約して関方面へはスクールバスを走らせている。今から路面電車復活と言われても、・・・。」とのこと。帰りに野一色から徹明町まで岐阜バスに乗ったら、ラッシュ過ぎでも座れなかった。上記のような状況は、局所的には何箇所かで起きていよう。大騒ぎになるパニックは起きないようだが、今後、大雨や雪の日等は、少なからぬ人が不便な思いをするのは確かで、長い目で見たら岐阜市は翼のもがれた鳥となり、決して人々に幸福をもたらすとは思えない。徹明町の近辺でも「閉店」の貼紙がますます目立って来た。

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